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2024.01.03

知財ニュース

NEC、長時間の動画から短縮動画と説明文をAIで自動生成する技術を開発

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NECは、生成AIを支える大規模言語モデル(LLM)と映像認識AIを組み合わせ、長時間の動画からユーザーの目的に応じた短縮動画と説明文章を自動生成する技術を世界で初めて開発した(2023年12月5日時点、NEC調べ)。

本技術をドライブレコーダーの動画分析に活用することで、事故発生時の状況や発生に至った経緯などを説明する文章と短縮動画を自動で生成可能となる。また、それらをもとに、損害保険金請求や交通安全指導などに向けた事故調査報告書を、フォーマットに合わせて自動作成できる。これにより、従来は手作業で行っていた報告書の作成にかかる時間を半減。同社は本技術の試用版を、2024年3月に提供する予定としている。

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近年、交通・物流・製造・建設・小売りなど、様々な場面で安全管理や業務の効率化を目的とした動画の利活用が進んでいる。しかし、長時間の動画の確認と、作業のヒヤリハットや改善点に関する報告書の作成に、膨大な工数と時間がかかることが課題となっている。生成AIの活用により、静止画の説明文章の自動生成は可能となったが、様々な物体や環境から構成され、かつ時間経過とともに変化する複雑なシーンを含む動画には適用が困難だった。

本技術により、映像認識AIとLLMを組み合わせて、動画の各シーンを理解することが可能となる。具体的には、100以上の映像認識AIを活用し、シーンを構成する人物、車、建物、動物、樹木などの自然物、天気などの様々な物体や環境と、それらの変化を個別に認識。その認識結果だけをLLMで分析することで、動画全体を分析する場合と比較して、ユーザーが求めるシーンを効率的に見つけ出すことができ、目視による動画の繰り返し確認が不要となる。

20231219 news02 02 開発した技術による分析の流れ

また、本技術では生成文章の品質を向上させるために、対象分野のサンプル映像を使ってLLMを事前にファインチューニングする。例えば、ドライブレコーダーの動画に適用する場合、事前に道路交通関係の動画を分析。これによりLLMが専門知識を備え、動画内で起きた出来事を正しく理解できるようになる。その結果、生成AIの正確性の課題であるハルシネーション(生成AIが誤った情報を、もっともらしい形式で出力してしまう現象)に対応しながら、信頼性の高い報告書の作成が可能となる。

本技術は、1時間以上の動画から目的のシーンの動画と説明文章を数秒間で作成可能。そのため、 大規模なコンピュータを使うことなく、数秒間で報告書を作成することができる。

今後は、本技術の試用版を損害保険会社や自動車メーカーなどに提供開始し、ドライブレコーダーの動画を活用した事故報告書などの資料作成を支援する。また本技術を、看護・介護記録の作成支援、製造・建設現場での作業記録の作成支援、自動運転用AIに学習させる事故シーンの収集と説明文の作成、放送映像向け特定コンテンツの収集とナレーション原稿の作成など、様々なユースケースに展開する予定とのことだ。

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Top Image : © 日本電気 株式会社

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