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2022.04.01
知財ニュース
「コクヨデザインアワード2022」受賞作品が決定―トロフィーは毎日変化するバーチャルなNFT
コクヨ株式会社は、次世代を担うデザイナーの発掘と、商品化を通じた活躍支援を行う「コクヨデザインアワード2022」を開催した。国内外58か国から応募された合計1,031点を審査し、3月12日、受賞作品計4作品を発表した。
19回目を迎えた今回のテーマは『UNLEARNING』。これまで疑うことのなかった知識や感覚、積み上げた経験を一度リセットし、未来を思い描く中で求められるプロダクトのデザインを募集した。最終審査に選出された10作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審査で受賞作品が決定した。
また、今回の受賞トロフィーにはNFTを付与したバーチャルなトロフィーが制作された。リモート時代でも喜びを分かち合えるバーチャルなトロフィーと、トロフィーにアクセスする「カードキー」としての表彰状となっている。
バーチャルトロフィーは、月初から毎日形が変化し、月末には応募総数1,031個の要素を持ったトロフィーが完成し、年間では12か月分12種類のトロフィーを楽しめるという。全ての変化を見せた1年後には、NFTを付与した3Dデータが受賞者に贈られる予定だ。
■受賞作品詳細
グランプリ:Flow of Thoughts
グランプリ/作品名:Flow of Thoughts
作品概要:思考を整理するための日記であり、マキシマリストな世界のためのミニマリストな手帳。日々必要ない言葉は落書きとして吐き出し、重要なものを書き留める。 頭の中でざわめく声を鎮め、意味のある記憶を形づくりながら心の負担を減らすこと。考えを厳選することで思考のミニマリストになることが大切。「Flow of Thoughts」は自分磨きのツール。思考を大切にし、文を綴る。
作者:Emilie & Joseph (Emilie-Marie Gioanni、Joseph Chataigner)
優秀賞:トキヲクム
優秀賞/作品名:トキヲクム
作品概要:色々な形と香りのお香ブロックを組み合わせ、これから過ごす1時間をデザインするお香時計。慌ただしく過ぎゆく日常の中で自分のリズムを取り戻してほしいという思いから生まれた。移ろいゆく香りは、嗅覚を通して時間経過を優しく感じさせ、同時に気分をも変えていく。絵や文章をかく時間、読書の時間、マインドフルネスやヨガ、アウトドアでのひと時など、自分らしい時間を過ごす時に使って欲しい。
作者:mrk(武市 美穂、上田 和実、小林 諒)
優秀賞:描画で広がる質感の世界
優秀賞/作品名:描画で広がる質感の世界
作品概要:さまざまな質感を描くことができる画材セットの提案。性質が異なる同色の画材で描画することで、素材感やマチエールといった、普段は意識していなかった「質感の世界」を広げてくれるプロダクト。色使いが得意な画家がいるように、質感を使うことが得意な画家が出てくるかもしれない。色に違いがあるように、質感の違いを遊ぶ子供がいるかもしれない。モノを色で選ぶように質感により注目して選ぶようになるかもしれない。多色な画材で絵を描くことが当たり前だが、このプロダクトをきっかけに多質な画材で絵を描くことも当たり前になる未来が訪れてほしいという希望が込められている。
作者:21B STUDIO(時岡 翔太郎、コエダ 小林、有村 大治郎)
優秀賞:果実の楽器
優秀賞/作品名:果実の楽器
作品概要:種や房といった果実の構造を模したシェイカー。振ったり転がしたりすることで果実ごとに個性ある音を奏でる。形から音を音から中身を想像する体験によって「目で聴く」「耳で視る」といった知覚の相互作用を促し、五感の学びほぐしを行うプロダクト。楽器で五感を楽しむ体験が想像することの豊かさに繋がるよう期待されている。
作者:21B STUDIO(時岡 翔太郎、コエダ 小林、有村 大治郎)
コクヨデザインアワードは、ユーザー視点のものづくりの推進を目的に2002年にスタート。商品化されたアイテムの中には、MoMAのパーマネントコレクションに認定された「カドケシ」や国際的な広告やデザインの賞を多数受賞した「なまえのないえのぐ」、iF Design Awardを受賞した「本当の定規」などがあり、そのほかにもこれまでに20作品の商品化を実現している。商品化プロセスにおける受賞者との協業を通じて若手デザイナーの成長の支援や活躍の礎づくりにも力を入れている。
Top Image : © コクヨ 株式会社