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2021.12.25

知財ニュース

指先への振動で転倒リスクや「立位年齢®」を計測する技術―ヘルスケアテクノロジーサミットで最優秀賞を受賞

StA²BLE

メドピア株式会社と、日本経済新聞社が共同開催するヘルステックのグローバルカンファレンス「ヘルスケア・テクノロジー・サミット(Healthtech/SUM)」が12月2日・3日に開催され、今年の受賞企業が決定した。審査の結果、最優秀賞は、立位機能検査装置「StA²BLE」を提供するUNTRACKED株式会社が獲得。最優秀賞の選出は、書類審査および日経新聞へのオンライン投票にて多数の票を獲得した出場社計8社がピッチコンテストに登壇し、審査員により決定した。

「ヘルスケア・テクノロジー・サミット」のピッチコンテストは、予防から医療・介護、食からHRまで、人がよりよく生きることをテクノロジーで実現するサービスを応募対象に開催されている。審査員には、主催のメドピア株式会社、日本経済新聞社のほか、経済産業省や三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、住友生命保険相互会社などが参加している。昨年度は、転んだときだけ柔らかくなる置き床「ころやわ」が最優秀賞を受賞していた。

今年の最優秀賞・UNTRACKED社の立位機能検査装置「StA²BLE」は、これまで、2020年に開催された「第1回ケアテックグランプリ」最優秀賞、第2回ヘルスケアベンチャー大賞などを受賞している。

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「StA²BLE」の技術は、人が指先で何かに触れていると安定して立てたり、転倒しにくくなる現象“ライトタッチ”を応用して、転倒リスクを測ることができる世界初の技術(特開2016-214671)。わずか1分の計測で「立位年齢®」(感覚刺激へのふらつきを年齢で表したもの)を検査し、自身の転倒リスクを測ることができる。

仕組みは、デバイスから指先に振動を与えて“ライトタッチ”の現象を再現。指先に振動を与えたり急に無くしたりした際の身体のふらつきを計測する。1,400名を超えるデータベースから、UNTRACKED社は「立位年齢®」という新しい転倒リスクの指標を算出した。「StA²BLE」は、この立位年齢®のほか、自身の身体の何の機能が弱っているかを計測できる。

従来の転倒リスクの評価では身体機能が主に評価されるが、StA²BLEは感覚機能も同時に評価でき、身体リスクの評価だけでは知る事のできなかった本質的な転倒リスクを計測できるとのこと。

また、UNTRACKED社は、この検査で得た転倒リスクに応じて、立位機能を改善するための訓練プログラムの構築をサポートする。評価から改善訓練までをサポートする転倒予防法を提供し、「筋制御トレーニング」「身体認識トレーニング」「感覚柔軟化訓練」を3本柱に、理学療法学的知見に基づく立位年齢®の若返り訓練を支援するとのこと。

「StA²BLE」は、高齢者福祉施設だけでなく、企業内検診やスポーツジムなど、あらゆるシーンでの現場の悩みに貢献できるとのことだ。どこでも転倒防止ができるこの新しい歩行サポートデバイスの理学療法への貢献に期待したい。

特開2016-214671

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「StA²BLE」公式サイト

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Top Image : © UNTRACKED 株式会社

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