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2024.06.25

知財ニュース

公共財の新たなメカニズム構築を目指す「Funding the Commons」、東京で開催―オードリー・タン氏など、各国の登壇者が参画

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オープンソースネットワークを用い、公共財の新たなメカニズム構築を目指す「Funding the Commons」のカンファレンスが、今夏、東京で開催される。

カンファレンスには、台湾でデジタル発展相を務めたオードリー・タン氏など、世界各国からイノベーターや事業者、研究者などが参加。Web2/Web3の技術的発展を背景に可能性が開けてきた、公共財・コモンズ(共同で所有・管理する土地)の新しい調達の在り方について、プレゼンテーションや議論を行う。開催は2024年7月24日~25日の2日間。会場は東京・渋谷の国連大学で、現在一般参加者を募集している。

「Funding the Commons」は、ブロックチェーン技術をベースに、公共財の資金調達モデルやメカニズムの開発・実装を目指すプロジェクトだ。分散型ストレージ「IPFS (InterPlanetary File System)」などで、オープンソースの研究・開発・実装を推進している会社「Protocol Labs」を中心に、2021年より開始。これまで、パリ、ベルリン、イスタンブール、台北、サンフランシスコなどの世界各地で行われており、今回の東京開催で10回目となる。

公共財は一般的に、「非排除性」と「非競合性」と持つ財・サービスと定義されており、例えば、無料の一般道路や消防、公園などがそれに該当する。制限を受けることなく多くの人が消費でき、ある人の消費行動で他の人の消費を妨げず、同時に消費可能。対価を払わなくても誰でも消費できるが、供給や運営にかかるコストが課題となる。

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日本でも昨今、環境問題の深刻化や、人口減少に伴って縮小する地域・コミュニティといった社会課題を抱えている。カンファレンスでは、多様な視点を持つ国内外のスピーカーを迎え、これまで社会を支えてきた公共財やコモンズの維持・発展に向けた、新たな支援の形を探る。ブロックチェーンやAI、経済学、オープンソースコミュニティなど、多方面の領域から文脈を共有し、議論を深めていく。

「Plurality(民主主義と違いを超えて協力するためのテクノロジー)」を提唱するオードリー・タン氏は、同名書籍の共著者であるグレン・ワイル氏とともに参加を予定している。

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また、今回のカンファレンスは、「Decentralized Science Tokyo(DeSci Tokyo) Conference 2024」の共同開催で行われる。DeSci Tokyoは、Web3などの民主的な分散型システムの構築・実装・普及を目指し、研究者や研究機関、企業をつなぎ、その取り組みをサポートする団体だ。同時開催となる「DeSci Tokyo Conference」では、「新たな研究開発エコシステム」をテーマに議論する。

カンファレンスの運営には、インキュベーターとしてWeb3の社会実装を推進しているFracton Venturesが参画。知財図鑑もメディアパートナーとしてサポートしている。開催概要は下記の通り。多様なバックボーンを持つ参加者間の化学反応が期待される。

開催概要

日時(予定):7月24日・25日 9:00~18:00
会場:国連大学

共同開催:DeSci Tokyo
イベントWebサイト:https://www.fundingthecommons.io/tokyo-2024
参加登録サイト:https://lu.ma/ftc-tokyo-2024


想定テーマ:
・日本における公共財支援のためのイノベーション
・公共財の設計メカニズム
・AI アライメント
・人口減少から学ぶ & 公共財再考の緊急性
・地域開発事例のグローバルな再現性
・オープンソースカルチャー

パートナー:UNICEF、Code for Japan、Plurality Tokyo、Fracton Ventures、ミツバチ
スポンサー:Protocol Labs、Optimism、Octant, Filecoin Foundation、Drips、AI alignment network、Road to Devcon、De-Silo、Astrofiters

ニュースリリースはこちら
「Funding the Commons」公式サイト
「Protocol Labs」
「DeSci Tokyo」
「Plurality」

Top Image : © Fracton Ventures 株式会社

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