News

大阪・関西万博

2025.05.15

知財ニュース

大阪・関西万博で「高原の空気」を味わえるレストラン、ダイキンらが出店―「空気」で新たな没入体験

水空_top

「高原のような澄んだ空気」とともに食事を楽しめる―大阪・関西万博には、そんな「空気の体験」ができるレストランが存在する。

手がけているのはダイキンだ。サントリーホールディングスとの協創で、高原のレストラン「水空SUIKUU(すいくう)」を構築。万博会場は人工島の夢洲で海辺にあるが、先進の空調技術を用いて店舗内に高原の空気を再現している。

水空_sub1

レストランのフロアには、新たに独自開発した空調システム「エアフォール空調」を用いている。天井から床に向かって低速できれいな空気を落下させ、ウィルス・花粉といった粒子状物質を含んだ室内の空気を天井に押し上げて排気する。

シックハウス症候群を引き起こすVOC(揮発性有機化合物)などのガス成分も一緒に排気可能。エアコン特有の横風を感じさせない工夫もしている。

さらに、2つの高性能フィルター(低圧損中性能フィルター・ガス吸着フィルター)を組み合わせて、一般事務所の5倍の換気量に相当する高い清浄効果を実現(ダイキン調べ)。隣席などの匂いも気にならず、「澄んだ空気」の中で食事を楽しめる。

水空_sub3

水空_sub2

店舗内の空気はセンサーで常時計測しており、店舗入口に設置した「IAQモニター」で表示。温度・湿度・CO2濃度・PM2.5などの状況を、リアルタイムで確認できる。

また、屋外に排出する空気から冷たさ・暖かさだけを回収して、屋内の空調に再利用する換気システムを搭載。環境にもやさしく、エネルギーロスの少ない排熱回収換気を実現している。

水空_sub4

水空_sub5

「空気で旅するダイニング」がコンセプトの個室も特徴だ。温度・湿度・気流などの空調制御と、映像や音響刺激を組み合わせた、新たな体験を提供する。

例えば、高原の映像と環境音にさわやかな風を合わせたり、滝の映像・音にひんやりとした冷気を加えたりが可能。没入空間に「空気の体験」を付加して、従来にはない価値を作り出している。

「ダイニング」は、東京大学と共同開発。視聴覚に関わる技術は東京大学が担い、ダイキンの空調制御技術を掛け合わせて構築した。食事の提供に合わせて環境を変化させ、移り変わる自然の中で食事しているような体験ができる。

水空_sub6

個室には、大阪大学と共同開発した「未来の温度計」も備えている。

季節、時刻、天候、屋内外の温度や湿度など、様々な空気環境を可視化する技術で、各情報を基に生成AIが水彩画を生成する。環境情報を言語化して絵画を生成するといった、2段階のAIプロセスで技術を構築。空気環境に応じてアートが変化する様子も楽しめる。

水空_sub7

水空_sub8

「空気」で新たな食体験ができる未来のレストラン「水空SUIKUU」の出店場所は、万博会場内のウォータープラザ西棟2階。飲食店やホテルなどへの実装を見据えている「空気の体験」を先取りできる。

ダイキン万博特設サイト
関連記事(ダイキン公式「大阪・関西万博の海辺の会場で「高原の空気」を味わう」)
「水空SUIKUU」公式サイト

Top Image : © ダイキン工業 株式会社

広告