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2025.11.14

知財ニュース

Amazon、次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」の建設計画をワシントン州で発表

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Amazonは、同社が計画する次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」をアメリカのワシントン州で建設する計画を検討していると発表した。

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「小型モジュール炉(SMR)」は従来の原子炉よりも小型で、設計の簡素化、迅速な導入、建設コストの削減を可能にする機能を備えた次世代原子炉だ。

Amazonは、事業全体における炭素排出量の削減を目指すグローバル戦略の一環として、原子力発電プロジェクトや技術を含むカーボンフリーエネルギーに数十億ドルを投資してきた。同社は2024年10月16日に、次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」の開発を支援するために3つの新しい契約を締結したと発表。これは、AI開発、運営におけるデータセンターの電力消費の増加に対応するためだとしている。また、次世代SMRと燃料の開発企業「X-energy」には、Amazonが中心に約5億ドル規模の資金調達ラウンドを支援したと発表していた。

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今回、この次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」について、さらなる計画の詳細が発表された。

同社は、アメリカのワシントン州で「小型モジュール炉(SMR)」の建設を検討しており、この「小型モジュール炉(SMR)」の施設は、「カスケード先進エネルギー施設(Cascade Advanced Energy Facility、略称Cascade)」と名付けられている。二酸化炭素排出量の削減、持続可能性目標の達成、そして新たなエネルギー源の供給に貢献するとしている。

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原子炉施設の主な特徴は、モジュール式であることだ。320メガワット(MW)のセクションを3つ備え、わずか数ブロックの敷地に960MWのプラントを建設する。従来の原子力発電所は、1GWのプラントでも1平方マイル(約1.6平方キロメートル)以上の土地を必要とするため、従来と比較して少ない面積での建設が可能となる。

ワシントン州の電力会社エナジー・ノースウエストとX-energyは、最大12基の小型モジュール炉を建設する計画で、カスケード発電所は、ワシントン州リッチランド郊外、エナジー・ノースウエストの既存のコロンビア発電所の近くに建設される予定だ。

また、X-energyは、ワシントン州のコロンビア・ベイスン・カレッジにエネルギー学習センターを設立している。ここでは、学生たちがX-energyの原子炉を動かす技術を実際に体験することができるシミュレーターの稼働を開始するとのこと。このシュミレーターは、同社の制御室を再現した高度な教育シミュレーターで、2025年後半の稼働開始を予定している。

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カスケード先進エネルギー施設は、建設中に1,000人以上の雇用を創出し、原子力事業、エンジニアリング、その他の専門分野で100人以上の常勤雇用を生み出すことも期待されている。建設は2020年代末の開始を目標としており、2030年代の稼働開始を目指しているとのことだ。

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Top Image : © Amazon

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