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2022.11.30
知財ニュース
下水道管を群れで点検、クモ型ロボット「SPD1」をテムザックが開発
サービスロボット開発の株式会社テムザックは、下水道点検の作業効率化を助ける、群れで動くクモ型ロボット「SPD1」(プロトタイプ)の開発を発表した。
同社ではこれまで、人と共存しながらより実用的な業務を遂行する“ワークロイド”の開発を推進してきた。産業用ロボットでもコミュニケーションロボットでもないロボットで、人手不足が叫ばれる様々な業界に貢献してきた。
「SPD1」は、“純国産”の、汎用性が高い多脚歩行式 管渠内調査ロボット。従来下水道管内調査に用いられてきたタイヤ走行式のTVカメラ車とは異なり、走破性に優れた多脚歩行式が採用されており、クモのように多数の脚を持つ。管の内径に柔軟に沿うように設計された脚で異なる直径の管も走行できる。また、機体は360度カメラを搭載し、ゲームコントローラーでの直感的な操作が可能。単体でも群れでも調査・作業ができる。
現在、全国の下水道管渠のおよそ5%が標準耐用年数である50年を経過しており、10年後には17%、20年後には39%が標準耐用年数を迎えるなど、急激な増加が見込まれている。また、下水道工事現場は慢性的な人手不足で、点検や修繕が完了する見込みが立っていない。同社では、こういった背景から、「SPD1」の開発に着手した。
「SPD1」は、下水道管調査の現場で実証実験を実施後、製品モデルの発表を予定している。また、汎用的なロボット技術がベースのため、アームなどの機能を付け替えることで、下水道工事以外にも、人の入れないような狭所での調査・作業への応用も期待される。
Top Image : © 株式会社 テムザック