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2022.03.02

知財ニュース

着ると「AIに人として認識されなくなる」ファッションアイテムが登場―AI監視社会から身を守る

UNLABELED 3

「AIによるラベリングから逃れるためのカモフラージュ」を開発するテキスタイルレーベル「UNLABELED(アンラベルド)」は、新たに、身につけるだけでAI監視カメラに人として認識されにくくするテキスタイルパターンを開発した。2021年10月22日に開催された日本最大級のデザイン&アートの祭典「DESIGNART TOKYO 2021」でこの「AIに人として認識されなくなるカモフラージュ柄」を用いた商品を展示・販売した。

UNLABELEDは、Dentsu Lab Tokyoと、株式会社Qosmo(コズモ)が共同で立ち上げたテキスタイルレーベル。これまで、人にはほとんど認識できない微小なノイズを画像に加えることで、AIの誤認識を誘発し機械分類で認識されなくするAdvesarial Exampleという手法を用いた、誤認識されやすくなる迷彩服を手掛けてきた。

今回の「AIに人として認識されなくなるカモフラージュ柄」の生成には、画像や映像に特定の柄を加えることで誤認識を誘発するAdversarial Patchと呼ばれる手法を応用しており、これによりカモフラージュ柄を実際に印刷して実世界で使用でき、任意の対象へのAIの認識を妨げられるという。

UNLABELED 5 右側の男性はカモフラージュパターンを身に着けることでAIカメラに認識されていない。

 UNLABELED 1

技術の発展により、AIによる物体認識の精度は向上し、防犯といった社会における利用価値が実証されていく一方で、プライバシーの侵害や不平等の助長といった「AI倫理」に関する議論が取り上げられるようになった現代。

UNLABELEDでは、そうしたAIによる監視の「目」から身を守る術として、身を隠すことを目的とした軍事用途から始まりファッションとしても定着していったカモフラージュ柄の概念を更新し、「AIによるラベリングから逃れるためのカモフラージュ」として本テキスタイルの開発に至ったという。

また、カモフラージュ柄の生成システムを開発したQosmo社では、監視社会に対するオルタナティブな視点を提供することで、AI技術の活用が進むことによる社会の変化に関する議論や、そこから派生する創造性の発展を促進したいとしている。

UNLABELED 4

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Top images : © 株式会社 Qosmo

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