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2021.09.24

知財ニュース

ソフトバンクがAIによって手話を日本語に翻訳する技術を開発、2024年度の実用化を目指す

2021-08-04 202738

ソフトバンクは人工知能(AI)が手話を日本語に翻訳する技術を2024年度にも実用化する。スマートフォンなどで最短1秒以内に翻訳し、手話ができない健聴者と聴覚障害者が直接対話しやすくし、日常会話に必要な約5000語への対応を目指すという。これにより、国内に30万人以上とされる聴覚・言語障害者が円滑に意思疎通できるようになると期待される。

この技術が開発されれば、テレビ電話中に手話をするとAIが動作を翻訳し、手話が表す単語や文章を日本語に変換しながら助詞を補って会話のテキストを作ることができる。健聴者は通常通り話すだけで、音声が自動でテキスト化されて相手に伝わる。互いにメッセージを入力する手間がなく、リアルタイムに表情を見ながら健聴者と聴覚障害者が自然に対話することができる。

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今年の7月には人工知能開発のプリファード・ネットワークスの開発する「3D姿勢推定技術」がソフトバンクの手話動画生成サービスで採用されたと発表された。これにより手話の動画から姿勢を検出する際、指先の向きや手の重なりといった細かな部分まで認識することができる。

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ソフトバンクは2017年に電気通信大学と基礎研究を始め、米グーグルなどが出資するAIスタートアップのアベジャなどとも協力してきた。アベジャは手話を記録した5万の動画をAIに学習させ、AIが動作の特徴や変化を捉えられるようにした。日本語以外の手話への対応も視野に入れる。

2021年4月からは東京都調布市や福島県の障害者団体に技術を試験提供し、これまでに計9つの自治体や団体が利用し始めている。ソフトバンクは今後2年間で医療機関や交通機関にも導入先を広げ、24~25年度をめどにスマホやパソコンから誰でも使える無料サービスとして一般に開放する。

手話は人により手を動かす速度や手・腕の位置に違いが出やすいため、今後は精度の向上にも取り組むという。

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Top images:Getty images

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