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2024.04.04
知財ニュース
Youtube、生成AIが使用されたリアルなAI生成コンテンツのラベルを義務付け
Youtubeは、生成AIが使用されたリアルなコンテンツに対してクリエイターが視聴者に開示することを義務付けると3月18日(現地時間)、発表した。
今回の義務づけは、2023年11月に発表された責任あるAIイノベーションに対する同社のアプローチに基づいており、これには開示要件とラベル、最新のプライバシー要求プロセスが含まれているとのこと。また、視聴者との透明性を強化し、クリエイターと視聴者の間に信頼を築くことを目的としているのだという。
開示が必要なコンテンツの例としては、次のようなものだ。
①現実的な人物の肖像を使用する
②実際の出来事や場所の映像を変更する
③リアルなシーンの生成
①人物の顔をデジタル的に変更して別の人物に置き換えたり、人の声を合成して動画のナレーションを生成するなどの人物の使用。②本物の建物が火災になったかのように見せかけるなどの実際の出来事や場所と異なって見える映像の変更。③また、実際の町に向かって移動する竜巻などの、架空のイベントのリアルなシーンの生成などが挙げられている。
ただし同社は、スクリプト、コンテンツのアイデア、自動キャプションの生成など、生産性向上のために生成AIが使用されたかどうかをクリエイターに開示するよう要求することはないとしている。
また、合成メディアが非現実的である場合や変更が重要でない場合には、クリエイターに開示を要求しない。これらの開示を要求しないケースとして、アニメーションやユニコーンに乗って幻想的な世界を進む人物など、明らかに非現実的なコンテンツ、色調整または照明フィルター、背景のぼかしやヴィンテージ効果などの特殊効果、ビューティーフィルターやその他の視覚的な強化などが概要し、これらは開示を要求しない。
今後数週間のうちに、携帯電話のYouTubeアプリから導入が開始され、すぐにデスクトップやテレビでも、ラベルが展開されるとのこと。将来的には、常にこの情報を開示しないことを選択しているクリエイターに対する強制措置も検討している。
場合によっては、特に改変されたコンテンツや合成コンテンツが人々を混乱させたり誤解を招く可能性がある場合、クリエイターが公開していない場合でもYouTubeがラベルを追加することもあるとのことだ。
Top Image : © Youtube
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