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2021.03.03

知財ニュース

雑誌『広告』の最新号、特集は「流通」— 購入ルートによって250種類の表紙が誕生

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株式会社博報堂が発刊する雑誌『広告』の最新号が、2⽉16⽇に発売されました。

2019年にクリエイティブディレクターの⼩野直紀さんが編集⻑に就任し、「いいものをつくる、とは何か?」を全体テーマに据え、この問いを思案する「視点のカタログ」としてリニューアルした同誌。

過去号では特集を「価値」として、価格1円(税込)のリニューアル創刊号を発売し話題となりました。また、2020年には「著作」を特集に、2,000円の『オリジナル版』と200円の『セルフ海賊版』を同時発売。創刊から現在に至るまで実験的な刊行スタイルを貫いてきました。

今回発売された最新号の特集は「流通」。新しい技術やビジネスモデル、さらにはコロナ禍を通して流通のあり方が大きく様変わりしている今、商品や作品がつくり手から受け手に届くまでに何が起きているのか。物理的な商品から映画や音楽などのコンテンツまで、「流通」にまつわる様々な視点を集めた一冊となっています。

表紙によって流通経路を可視化

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本号では、独自に開発された「段ボール装」を採用しており、側面のミシン目を剥がすとそのまま雑誌になる仕組みになっています。

『広告』が製本されてから読者の手元に届くまでのすべての流通経路を、書店や取次、運送会社などを記載した全250種類の表紙によって可視化。書店や入手方法の数だけ異なる表紙が存在するのです。

これは、「より早く」「より安く」を追求し、時間とコストを“ゼロ”に近づけようとする現代の「流通」に対する問題提起です。「流通」にまつわる課題や可能性を深掘り、雑誌『広告』の全体テーマである「いいものをつくる、とは何か?」を思索させる本号にピッタリの表紙ですね。

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編集長である⼩野直紀さんは、「この装丁をとおして商品が手元に届くまでの人の営みやものと流通の関係に目を向けるきっかけとなれば幸いです」と語っています。流通について知ることで、これまでとは違った視点で社会の仕組みを見ることができ、価値観を広げることに繋がるのではないでしょうか。

このように、斬新な発想力で私たちに「モノ作り」について投げかけてくる雑誌「広告」。⼩野直紀さんは、今回発売した「流通」を折り返し地点と考え、あと2号制作する予定と話しています。今後、どのような特集が組まれるのか今から楽しみですね。

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