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2022.03.03

知財ニュース

測位衛星「みちびき」を利用し実証―車椅子ユーザーや視覚障害者歩行にセンチメータ級の衛星測位で駆けつけ

あしらせ

車椅子ユーザー向け介助システムの開発に取り組むバリアフリーコンソーシアムと、視覚障がい者向けナビゲーションシステムの開発に取り組む株式会社Ashiraseは、準天頂軌道衛星「みちびき」の衛星測位システムを利用し、車椅子ユーザーのSOSに衛星測位システムのナビゲーションで駆けつける実証実験を行なった。実験は「みちびき」の衛星測位システムによって得られた即位情報を活用した「B-SOSシステム」と、視覚障害者向けナビゲーション「あしらせ」の2つのシステムで行われた。

植え込みで車椅子が脱輪してしまった、歩行路が上り坂で上がれない、お店の車椅子専用路に段ボールなどの障害物があって入店できないという3つの場面を想定した検証が行われた。社会福祉法人太陽の家の協力の下参加した車椅子ユーザーの被験者が、スマートフォンの専用アプリを使ってSOSを発信。介助役として参加した大分東明高等学校の看護学生がそれぞれ100m地点、200m地点、300m地点で「B-SOSシステム」でSOSを受信し、準天頂軌道衛星「みちびき」によるセンチメータ級の衛星測位システムによるナビゲーションで駆けつける。

b-sos

みちびきを利用した実証事業 2

あしらせ」は、2021年4月に設立された株式会社Ashiraseが取り組む、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーションシステム。靴に装着したデバイスの振動とスマートフォンアプリのナビゲーションにより、聴覚を邪魔せずに案内を行う。視覚障がい者向けに特化した誘導情報の生成と、独自振動インターフェースにより、ユーザーは直感的に進めば良い角度やルート情報を把握することが出来るため、安全に余裕を持って歩行することができる。

みちびきを利用した実証事業 4

実験では、参加した視覚障がい者が、およそ300mの距離を「あしらせ」のナビゲーションによる歩行で検証。さらに、到着しても入り口がわからない、建物内店舗まで行くことができないといった目的地付近の課題解決に向けて、目的地側が接近情報を受信し、入り口付近まで迎えに行き誘導する「あしらせお出迎え」サービスの検証も行われた。

バリアフリーコンソーシアムは、今回の実証実験の結果を踏まえながら、車椅子ユーザーが街に出かける際の心のバリアが少しでも小さくなるように、大分県内でB-SOSシステムの事業化に向けて取り組むとしている。

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Top images : © 株式会社 minsora

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