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2021.03.26

知財ニュース

【2021年3月22日週/Tech5選】 知財ハンターが注目した今週のテクノロジー

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今週紹介したテクノロジーの中で、知財図鑑編集部が注目する知財5選を紹介します。
知財ハンターが独自の目線でハントした先端テクノロジー情報をまとめ読みしてみましょう。

①「iwasemi (イワセミ)」

iwasemi

●特定の周波数をカットする、加工自在な吸音材
iwasemi(イワセミ)とは、自然物とは異なる音響特性を持つ人工素材「音響メタマテリアル」を応用した吸音材。ステンレスやアクリルの共鳴吸音構造をコンピュータ制御でカスタマイズすることで、従来のグラスウールのような吸音材と同等の吸音性能を持たせられる。また、iwasemiは任意の周波数帯域における高い吸音率を実現するため、利用シーンやニーズに応じた吸音材の設計を支援できる。将来的には、建築材料や自動車部品などへの適用を通じて、騒音問題の解決に貢献すると期待されている。#新素材 #音響 #音声

②「FORPHEUS(フォルフェウス)」

FORPHEUS

●プレーヤーの潜在能力を引き出す卓球ロボット
FORPHEUS(フォルフェウス)とは、機械が人の能力を引き出す「融和」の世界を体現した卓球ロボット。世代を重ねたハードウェアとアルゴリズムの改良により卓球経験者との高速ラリーも可能なスキルを獲得、さらに対戦相手の技量に合わせた返球や感情のセンシングに基づくアドバイスを行うことでスキルアップを促す「パーソナルコーチング」を実装。従来の代替・協業を主目的とした人とロボットの関係性とは異なり、ロボットが人の可能性や能力を拡張し成長を促すことを目的としている。人の心理状態に合わせてモチベーションを高めるAIは、スポーツの分野のみならず社会のさまざまな場面での応用が期待されている。#AI #IoT #ディープラーニング

③「パーパスモデル図解」

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●共創目的を自動生成で可視化するツール
パーパスモデル図解とは、特定の事業やプロジェクトにおけるステークホルダーとその役割、個々の目的、そして共通目的を可視化するツール。一社一企業では解決できない複雑で横断的な課題に対し複数のステークホルダーが共創する場合に、経済合理性だけではなく社会性とのバランスを保ちながら目的の設定と共有をするための図解である。「共通目的」を中心に色分けされた円のフレームフォーマットに「目的」「役割」「ステークホルダー」をそれぞれ該当させることで、その場とプロジェクトにおけるビジョンを図解により明確に視覚化することができる。共創相手、ビジネスパートナーとの新たなコミュニケーションツールとして実装されることが期待される。#コミュニケーション #ビジネス #視覚

④「PopNatal」

PopNatal

●早産のリスクを判定するデジタルスクリーニングツール
PopNatalとは、独自のアルゴリズムを使用して危険因子を300種類以上分析し、早産のリスクを判定するデジタルスクリーニングツール。利用者が妊娠前や妊娠初期にスマホなどから15分程度の質問に答えるだけで、これまで7%程度しか発見できなかった早産のリスクを75%の確率で特定することが可能に。そして、その結果は72時間以内に担当医師に報告される。早産をした回数が多いほど再発のリスクが高まることから、これまで早産の主な予測因子は早産の既往であったが、その方法では初産婦の早産のリスクを減らすことはできなかった。PopNatalでは、豊富なデータによるエビデンスに基づいて、すべての女性が自身の早産のリスクを正確に理解し、適切な医療を受けられることが期待できる。#ヘルスケア #医療 #センシング

⑤「weBelong」

webelong

●10代マイノリティ特化型アプリ
weBelongとは、米国に住む10代のマイノリティ(LGBTQやヒスパニック、黒人など)向けの匿名制コミュニティアプリ。生年月日、性別、ジェンダー、趣味、悩みなどを登録すると、アルゴリズムが自分に近い属性や関心を持つグループを表示する仕組みとなっており、ユーザーはそのグループ内で、互いの悩みや関心事をテキストでチャットできる。また、投稿内容は時間の経過とともに消えていくため自己表現がしやすく、ユーザは互いに励まし合いつつも、バッシングが生じない設計となっている。「自分と同じ属性の人と繋がれる、居心地の良い空間」を目指しており、将来的には日本を含む世界中のマイノリティのつながりニーズに応えていくことが期待される。#ソフトウェア #感情 #ライフスタイル

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