No. 298 プレーヤーの潜在能力を引き出す卓球ロボット

FORPHEUS(フォルフェウス)

FORPHEUS(フォルフェウス)とは、機械が人の能力を引き出す「融和」の世界を体現した卓球ロボット。世代を重ねたハードウェアとアルゴリズムの改良により卓球経験者との高速ラリーも可能なスキルを獲得、さらに対戦相手の技量に合わせた返球や感情のセンシングに基づくアドバイスを行うことでスキルアップを促す「パーソナルコーチング」を実装。従来の代替・協業を主目的とした人とロボットの関係性とは異なり、ロボットが人の可能性や能力を拡張し成長を促すことを目的としている。人の心理状態に合わせてモチベーションを高めるAIは、スポーツの分野のみならず社会のさまざまな場面での応用が期待されている。

なぜできるのか?

スマッシュにも対応する高速ラリー機能

高速・高精度な画像処理技術とロボット制御技術により、カットやドライブによる回転も計測・制御しスピーディでハイレベルな誤差の少ないラリーが可能。世代ごとにコンセプトを掲げてアップデートを続けている。

対戦者の内面をセンシング

独自の人計測技術を活用し、人の表情、視線、心拍等のバイタルデータをカメラでセンシングし、プレーヤーのスキルレベルや感情をリアルタイムに推定。状況を把握してコントロールするゲームAIの「メタAI」が活用されている。

モチベーションを高めレベルアップに誘うAI

センシングした相手の技術能力と感情に合わせてAIが成長を促す返球コースを選択。チャレンジが難しすぎて対応しきれていないプレーヤーには易しい球を返し、簡単すぎて退屈しているプレーヤーには厳しい球を返す。プレーヤーをどのように動かせばモチベーションが高まるのかを分析しラリー計画に変換、コースや球種・スピードを変化させてプレーヤーの集中状態を導き出す。

相性のいい分野

スポーツ
試合前に選手のモチベーションと集中力を極限に高めるAIによるウォーミングアップ
医療・福祉
身体機能や体力が低下した高齢者のやる気を引き出すリハビリへの応用
製造業・メーカー
工場のものづくり現場における技術教育や作業支援
教育・人材
仕事への集中力を楽しく高めるゲーミフィケーションを取り入れた新人教育
AI・ロボット
機械が人の能力を引き出し「融和」する新しい社会モデルの形成

知財情報

主な知財ホルダー:オムロン株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 松岡真吾