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2025.06.26
知財ニュース
シンガポール国立図書館、読書とARを融合した没入体験を発表―AR読書で登場人物が動き出す

シンガポール国立図書館は広告代理店LePubと提携して、Snap OSを搭載した拡張現実(AR)グラス「Spectacles」を活用して、本や物語に没入できるAR体験を発表した。
ユーザーは「Spectacles」を装着して読書を開始するとカメラが読書中に本をスキャンし、テキスト認識と機械学習を用いて音声と視覚効果が提供される。
本の全てのページで生成AIによってリアルタイムで絵が生成され、登場人物がページから飛び出してくるような体験ができる。アンビエントな音や効果音もリアルタイムで再生され、読書の雰囲気を盛り上げ、物語の世界に没頭することができる。
サスペンスに満ちた音楽で情景を演出したり、ドアのきしみ音や遠くの話し声などの効果音、そしてストーリーを引き立てるビジュアル効果などが組み込まれている。
さらに読者を飽きさせないために、ページをめくるごとにバッジがもらえるゲームの仕組みも取り入れられている。これにより、読書を体験しながら達成感も味わうことができる。
この取り組みは、テレビゲームとシネマフォトグラフィーからインスピレーションを得たのだという。従来の読書体験に取って代わることではなく、本との魅力的な入り口を創造することで、読書体験をさらに豊かにすることを目指しているとのことだ。
現在ベータテスト中で、今年後半には体験ができる予定だ。対象は、シンガポール在住者で、一部の図書館で利用できるようになる。
Top Image : © Snap AR