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2025.03.10

知財ニュース

経産省支援、ワコール独自技術「Melooop」を活用したアイテムをパリコレで発表―接着剤不要で立体成形

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株式会社ワコールは、メルトブロー法(※)で立体物を製作する新技術「Melooop(メループ)」を独自開発。この技術を用いた協業アイテムを2025年秋冬 パリ・ファッションウィークにて発表した。

「Melooop」は、接着剤などを使わなくても不織布を作ることができるメルトブロー法という技術を応用した技術。単一素材で立体物を製作できるためリサイクルが容易で、廃棄材料が少ないという特徴がある。

ワコールは、新技術「Melooop(メループ)」を独自開発以後、2020年よりブラジャーのカップ部分の生産技術として実用化しているが、インナーウェア以外での活用可能性を探る取り組みとして、経済産業省が主催する「みらいのファッション人材育成プログラム」に参画。

「Melooop」によるファッションアイテムの製作に取り組み、プログラムをきっかけとして、ファッションブランド「doublet(ダブレット)」との協業アイテム3点を2025年秋冬 パリ・ファッションウィークにて発表した。

(※メルトブロー法:原料となる樹脂を熱で溶かして紡糸ノズルから押し出し、高速の熱風で引き伸ばすことで極細繊維化し、同時に繊維同士が熱融着することで接着剤などを使用することなく、不織布をつくる技法)

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「Melooop」では、吹付装置に対してロボットの軌道を精緻にコントロールすることで、かたちや厚み、伸度を調整することができる。「Melooop」でファブリックを成型する際には、カットされた不要なパーツもふたたび原料に生まれ変わることから、廃棄材料をゼロにすることが可能だ。

2024年からは経済産業省が主催する補助事業「みらいのファッション人材育成プログラム」にも採択され、、「Melooop」のインナーウェア以外での活用可能性を検討するため、ファッションアイテムの製作に取り組んでいる。同社は、今後、ファッション業界以外での「Melooop」の活用も視野に入れ、技術開発に取り組んでいきたい考え。

■立体メルトブロー技術「Melooop」の特長

① ポリウレタンやポリ乳酸など、モノマテリアル(単一素材)のため、リサイクルがしやすい

② 繊維を吹き付けることで立体物を成型するため、破棄材料が少ない

③ 原料に染料や顔料を加えることで着色が可能なため、染色工程が不要

④ 3D プリンタで制作した型に吹き付けるため、金型が不要で、小ロット生産に適している

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「Melooop(メループ)」の詳しいデータと画像はこちら

Top Image : © 株式会社 ワコール

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