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2023.07.11

知財ニュース

ChatGPTによる「AI牧師」がドイツの教会で礼拝を実施─説教の98%をAIが生成

Protestants attend AI-generated service in Germany 0-40 screenshot

ドイツの聖パウロ教会では、2023年6月9日、人工知能(AI)により生成されスクリーンに投影された「AIアバター牧師」による実験的な礼拝が行われた。

この礼拝は、ウィーン大学の神学者Jonas Simmerlein氏が考案したもので、ドイツ各地で2年に1度行われる「Deutscher Evangelischer Kirchentag(ドイツ福音主義教会大会)」の一環として行われたもの。説教の内容は、今回の大会スローガンの「Jetzt ist die Zeit(今がその時だ)」 をもとに98%を「ChatGPT」が作ったという。

今回の礼拝では、開始1時間前から長蛇の列ができるなど、高い関心が寄せられた。教会では、若い男女2人ずつ合計4人のアバターが主導し、教会に詰めかけた信者らに「親愛なる友人の皆さん、今年ドイツで開催されたプロテスタントの大会で、最初の人工知能としてここに立ち、皆さんに説教できることを光栄に思います」と単調な声で話しかけたという。

出席者の反応はさまざまで、携帯電話で熱心に撮影する人もいれば、AIのありきたりな言葉に思わず吹き出す人や、「主の祈り」の唱和に参加せず批判的に見ている人もいたとのこと。また、年齢層によっても感じ方が異なり、宗教におけるAIの使用に懸念を示す人もいたという。

Simmerlein氏によれば、AIの活用は牧師や信者の信仰的な生活を助けると期待を寄せるが、人間の牧師とは異なり、場の空気への対応や信者のリアクションへの対応はできない。同氏は、「人間の牧師は信者と生涯を共にするが、AIには信者のことは分からない」とコメントしている。

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「ChatGPT」知財記事

Top Image : © AP News

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