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2022.03.03

知財ニュース

100mで1Gbpsの海中光ワイヤレス通信試験に成功―海中ワイヤレス通信技術のパラダイムシフトを目指す

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国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下JAMSTEC)は、株式会社トリマティスと共同で、海中探査機を用いた光ワイヤレス通信試験を深海域で実施し、通信距離100m超で、地上の通信速度相当の1Gbpsの通信速度を有する高速海中光ワイヤレス通信に成功した。

従来、海中におけるワイヤレス通信技術は音響通信が主流だったが、その通信速度は数kbps~数十kbps程度に限られていた。近年は音響通信に代わり、海中でレーザー光を用いたワイヤレス通信技術の開発が進められてきたが、現況はMbpsクラスの実用化しかなく、地上通信ネットワーク相当の通信速度(Gbpsクラス)で100m以上の通信距離を海中で達成した実例はなかった。

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そこでJAMSTECとトリマティスは、海中で光ワイヤレス通信の品質に影響を及ぼす要因を精査し、その原因や条件を考慮した通信手段や光学系の研究を進捗させることで、1Gbpsクラスの光ワイヤレス通信試験機を開発。JAMSTEC所有の無人探査機「かいこう」のランチャーとビークルにそれぞれ送信器と受信器を設置し、深海域において送信器から受信器への通信試験を実施した。その結果、通信距離100m超えにおいて、通信速度1Gbpsの光ワイヤレス通信を達成したという。

なお、この速度成果は、従来の海中音響通信の数千倍以上、他の海中光ワイヤレス通信と比較しても数十倍以上の超高速化に当たる。海中でこれまでにない超高速化が実現されたことを示し、海中ワイヤレス通信技術分野におけるパラダイムシフトとなることが期待されるとのこと。

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本成果により、海中でも地上と同レベルの高速通信ネットワークがワイヤレスで可能となる。また、海中で計測される様々な現象をリアルタイムで取得することが実現され、海底資源開発や地震・津波等の防災技術への活用も期待できる。

JAMSTECは今後、さらなる高速化・遠達化が達成されることで、巨額な費用を必要としない、海中でも地上と同レベルの高速ワイヤレス通信ネットワークの様々な水域での展開が期待できるとしている。

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Top Image : © 国立研究開発法人 海洋研究開発機構

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