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2021.11.15
知財ニュース
Facebookが社名を「Meta」に変更─3次元仮想空間でつながるメタバースを軸に事業を展開
米Facebookは、2021年10月28日(現地時間)付けで社名を「Meta(メタ)」に変更したと発表した。同日に開催した「Facebook Connect 2021」で明らかにされた。
Metaの社名は、オンラインに構築するリアルに近い3次元の仮想空間である「メタバース(Metaverse)」が由来。同社はメタバースを、オンラインでの様々なソーシャル体験を掛け合わせたようなもので、時には3次元に拡張され、時には現実世界に投影されるものと位置づけている。社名変更を機に、今後はメタバースを軸に事業を展開し、ソーシャルテクノロジーを進化させていくという。
同社はこれまで、VR(仮想現実)ヘッドセット「Oculus Quest」の発売などを通じてバーチャル空間でのサービスを提供してきた。2021年8月には、「Oculus Quest 2」(前述の後継モデル)を用いて、VRのバーチャルルームで一緒に仕事ができる「Horizon Workrooms」のサービスを開始。リモートワークでも、アバターでVR空間に集まり、同僚との共同作業やアイデア出しなどができる環境を提供している。
Metaは今後、人々がどこにいても友達や家族とつながり、コミュニティに参加し、ビジネスを成長させるためのテクノロジーの提供を目指すという。メタバースの構築につながるQuest 2などの既存技術を進化させるとともに、VR/AR(拡張現実)の次世代クリエイター・開発者を育成するための没入型学習に1億5,000万ドル(約170億3600万円)の投資を行う方針だ。
28日同日に掲載されたマーク・ザッカーバーグCEOによる「Founder’s Letter」(創設者の手紙)には、Metaが今後目指す姿が記されている(以下抜粋)。
Our hope is that within the next decade, the metaverse will reach a billion people, host hundreds of billions of dollars of digital commerce, and support jobs for millions of creators and developers.
(私たちは今後10年以内に、メタバースが10億人の人々に到達し、数千億ドルのデジタル商取引が行われ、数百万人のクリエイターや開発者の雇用を支えることを目指しています。)
また手紙の中では今後、「メタバース・ファースト」を目指すとし、将来的には同社のサービスを利用する際に、Facebookのアカウントが必要でなくなるとも述べている。Metaの今後の取組みと、メタバースのさらなる進展が期待される。
Top Image : © Meta