No.432

2021.09.30

VRとアバターによる仮想空間のミーティングサービス

Horizon Workrooms

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概要

「Horizon Workrooms」 はVRにより臨場感ある会議を仮想空間で体験することができるミーティングサービス。一体型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使うことでメタバース(3Dグラフィックの仮想空間)上に設置された会議室にアバターの姿でログインでき、方向性を持った空間オーディオによってリアルと同じような会話を楽しむことができる。また、メタバース上のデスクの位置をリアルと同期することができる機能やブレインストーミング機能、ドキュメント作成機能など、ビジネス向けのコンテンツも充実。共同作業やミーティング、プレゼンテーションなど様々なビジネスシーンでの応用が期待されている。

「Horizon Workrooms」のバーチャルルーム

なぜできるのか?

VRゴーグルによる仮想空間のミーティングルーム

VRとビジネスの融合をうたう会議サービス「Horizon  Workrooms」は、VRゴーグル「Oculus Quest 2」と組み合わせることで利用が可能。ユーザーはアバターの姿となりメタバース上に設けられた会議室でミーティングを行うことができる。

自然なコミュニケーションを実現するハンドトラッキング技術

Oculus Quest 2によるハンドトラッキング技術で、アバターの身ぶり手振りは指の一本一本まで正確な再現が可能になる。従来のVRゴーグルでは両手にコントローラーを持って操作するのが基本だったが、「Horizon Workrooms」ではこのハンドトラッキング技術によってコントローラー無しで基本的な操作を全て実施することができる。これにより、メタバース内で自分のPCを操作するなど、現実空間と同じ作業が実現できるようになる。また、喋る声と仮想空間内のアバターの口の動きを連動させるリップシンクの精度が高く、ユーザーは話者の存在感をよりリアルに感じることができる。

方向や距離を再現する空間オーディオ技術

「Horizon  Workrooms」の空間オーディオ技術は空間の方向や距離を再現しているため、アバターが着席した位置により、遠くの人の声は小さく、近くの人の声は大きく聞こえるようになり、奥行きのある会話を行うことができる。これにより、別々の会話をメタバース空間内で複数成立させることが可能となる。また、空間内で席替えをすることも可能で、それにより「喋りたい人の近くに移動する」という行動をアバターで実現することができる。

ビジネス向けの機能の充実

リアルタイムで書き込みが可能なホワイトボード機能やブレインストーミング機能、ドキュメント作成機能など、オフィス向けの機能が充実しており、バーチャルルームも、プレゼンテーションやミーティングなど、ビジネスシーンに合わせてカスタマイズ可能。さらにメタバース内の机とリアルの机の高さを同期させる機能や、新しい「Oculus Remote Desktop」アプリと組み合わせることで、メタバースから自身のPCにアクセスできる機能も搭載。参加人数はVRで最大16人、ビデオ通話を含めると最大50人まで参加することができる。

相性のいい産業分野

IT・通信

現実世界での会議に近いテレワークにおけるミーティング環境の実現

教育・人材

「Horizon Workroom」を使ったオンライン教育やMR技術を用いた校外学習

医療・福祉

バーチャルの診察室で行われる訪問医療

生活・文化

百人単位のバーチャルルームで開催される冠婚葬祭

アート・エンターテインメント

フェスなどのイベントをメタバース上で運営

スポーツ

アスリートの身体を反映したアバターによるメタバース上でのスポーツ大会

官公庁・自治体

億人単位のバーチャルルームで開催されるフェス形式の直接民主政

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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