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2021.09.29

知財ニュース

メルセデスベンツが脳波で運転するコンセプトカー「VISION AVTR」を発表

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メルセデス・ベンツが、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAA モビリティ 2021」にて、脳波によって操作を行う「ブレイン・コンピュータ・インターフェイス(BCI)」を搭載したコンセプトカー「VISION AVTR」を発表した。

VISION AVTRは、2009年に公開された映画『アバター』のグローバルパートナーシップとして製作されたコンセプトカーだ。ユーザーはBCIデバイスを頭部に取り付けるだけで、測定・解析した脳波から自動車の機能を操作することができる。BCIは、Facebookが開発した思考によりコンピューターへの文字出力ができる「Speech Neuroprosthesis」など、医療現場での活用が進められている技術だが、この技術を自動車運転にも取り入れたという。

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IAAモビリティの会場では、実際にウェアラブルデバイスを用いてユーザーが脳波による操作を体験できるブースが用意された。ダッシュボードに光の点を映し、デバイスを通してユーザーの大脳皮質のニューロン活動を測定。脳波を解析し、ユーザーがどの光に焦点を合わせ注意を向けているかを検知し、操作を代行するという新しい体験を提供した。

今回展示されたものはウェアラブルデバイスを用いたものだったが、将来的には、センターコンソールに手を置くだけで操作可能なユニットの設置を目指すそうだ。手を持ち上げるだけで手の平にメニューが表示される仕組みも開発するという。また、ユーザーがリアルタイム3Dグラフィックを使って『アバター』に登場する架空の世界を探索するといったキャビン体験も想定している。

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VISION AVTRのデザインや動きにも『アバター』の世界観は表現されている。ボディ後部に取り付けられた33個の「バイオニックフラップ」と球形のタイヤによって全方位への移動が可能。これまでの自動車にはなかった生き物のような俊敏な動きを実現する。

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インテリアデザインにもこだわっており、ダッシュボードとシートは波と花をイメージさせる曲線的なデザインとなっている。シート地は光に応じて色が変化。ヴィーガン・レザーの「DINAMICA®️」や持続可能なカルン材を使用するなど、環境に配慮した素材が採用されているのも特徴だ。

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VISION AVTRの環境への配慮はバッテリーにも活かされている。化石燃料の使用を廃止し、100%リサイクルが可能な原材料で製造された有機電池技術をバッテリーに導入。さらにバッテリーのフル充電は15分以内に完了し、電力はリアに組み込まれたソーラープレートからも得られる。持続可能性に配慮した次世代EVとして、さらなる開発が進められるようだ。

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Top Image :©Mercedes-Benz

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