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2025.05.27

知財ニュース

Apple、新しいアクセシビリティ機能を発表―視覚、聴覚、身体機能、発話、および認知のための機能、年内に導入予定

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Appleは、2025年5月13日、App Storeにあるアプリやゲームの詳細情報を提供するAccessibility Nutrition Labels(アクセシビリティラベル)など、年内に導入予定の新しいアクセシビリティ機能を発表した。

「Accessibility Nutrition Labels(アクセシビリティラベル)」は、App Storeにあるアプリやゲーム内のアクセシビリティ機能の概要を伝える新しいセクション。これにより、ユーザーはダウンロードする前にそのアプリを自分が利用できるかどうかを知ることができる。

表示される情報には、VoiceOver、音声コントロール、さらに大きな文字、十分なコントラスト、Reduced Motion、キャプションなどがある。アクセシビリティラベルは全世界のApp Storeで提供される予定だ。また、デベロッパは製品ページでアクセシビリティ情報を表示する前に、アプリが満たす必要のある条件に関する詳しいガイダンスを参照することができる。

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Macには、弱視のユーザーのための拡大鏡アプリが導入される。拡大鏡アプリはユーザーのカメラに接続するため、画面やホワイトボードなど周囲にあるものを拡大表示することが可能。拡大鏡はiPhoneの連係カメラや取りつけたUSBカメラに対応し、デスクビューを使って書類を読むことをサポートする。

複数のライブセッションのウインドウがある場合、ユーザーはウェブカメラを使ってプレゼンテーションを見ながら、同時にデスクビューで本の内容を目で追うことで、マルチタスクが可能。カスタマイズされた表示では、明るさ、コントラスト、カラーフィルタ、さらには遠近を調整して、テキストや画像を見やすくできる。さらに、Macの拡大鏡にはもう1つの新しいアクセシビリティ機能、アクセシビリティリーダーが統合されている。この機能は現実の世界のテキストを独自の判読可能な形式に変換できる。

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点字アクセスでは、ユーザーはすばやく点字形式でノートを取ったり、Nemeth Braille(理数系の授業でよく使われる点字コード)を使って計算をすることができる。また、ライブキャプションに組み込まれているため、ユーザーは会話をリアルタイムで点字ディスプレイ上に直接書き起こすことができる。

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アクセシビリティリーダーは、iPhone、iPad、Mac、Apple Vision Proで利用可能な新しいシステム全体にわたるリーディングモードだ。失読症や弱視など様々な障がいのあるユーザーがテキストを読みやすくなるように設計されている。フォントやカラー、文字や行の間隔のための豊富なオプションのほか、読み上げコンテンツにも対応しているため、テキストをカスタマイズして読みたい内容に集中することができる。どのアプリからも起動でき、iOS、iPadOS、macOSの拡大鏡アプリに組み込まれている。

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聴覚に障がいのあるユーザー向けに、リアルタイムのライブキャプションなどの新機能を備えたライブリスニングのコントロールがApple Watchに導入される。

ライブリスニングにより、iPhoneがコンテンツをAirPods、Made for iPhone補聴器、Beatsヘッドフォンに直接ストリーミングするためのリモートマイクに変わる。iPhoneでセッションが進行中の場合、ユーザーはオーディオを聴きながら、iPhoneが聞き取った内容のライブキャプションを、ペアリングしたApple Watchで見ることができる。Apple Watchがリモコンの役割を果たし、ライブリスニングのセッションを部屋の中の離れた場所からのコントロールも可能だ。ライブリスニングは、この種のものでは初となる臨床グレードのヒアリング補助機能など、AirPods Pro 2で利用可能な聴覚の健康をサポートする機能とあわせて使用できる。

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視覚に障がいのあるユーザー向けに、visionOSは、Apple Vision Proのカメラシステムを使って視覚のアクセシビリティ機能を拡張する。ズーム機能へのパワフルなアップデートにより、ユーザーはメインカメラを使って、視界のすべてを拡大表示できる。

VoiceOverユーザー向けに、visionOSのライブ認識はデバイス上の機械学習を活用して、周囲の状況の説明、物を探す、書類の読み上げができる。アクセシビリティ機能のデベロッパは、新しいAPIにより、承認を受けたアプリでメインカメラにアクセスが可能。「Be My Eyes」のようなアプリでは、視覚的解釈についてライブで1対1の支援ができるようになり、ハンズフリーで周囲の状況を知るためのさらに多くの方法をユーザーに提供する。

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その他に、バックグラウンドサウンド、パーソナルボイスなど様々なアップデートも行われている。Apple Store直営店では、5月を通して、様々なデバイスのアクセシビリティ機能を紹介する専用のテーブルを一部の店舗に設置。さらに、Today at Appleでは、アクセシビリティに関するセッションを年間を通して開催し、より踏み込んだ学びやヒント、機能のカスタマイズ方法について提供している。

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Top Image : © Apple

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