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2021.06.02
知財ニュース
世界的トップダンサーたちの3Dモーションデータを一般取引できるマーケットプレイス「GESREC」が日米同時リリース
マイクロエンタテインメント株式会社が日米で展開しているダンスの著作権管理・取引サービス「GESREC(ジェスレック)」に、KITE氏、Kento Mori氏、Brian Friedman氏、PopNTaco氏らをはじめとする世界屈指のトップダンサーが参画し、2021年5月10日より3Dモーションデータの一般取引が開始された。
本プロジェクトにより、世界中の誰もがインターネットを通じてグローバルに活躍するトップダンサーの公式3Dダンスモーションデータを購入可能に。モーションの二次利用という市場創設による経済効果のみならず、コロナ禍でこれまで以上にDXを迫られている危機的なエンタメ業界の世界的なニーズに応え、ダンス・クリエイターの新たな活動領域を切り開いていくことが期待されている。
GESRECでは、AIによってモーションを解析・データ化し、抽出元の動画に映っているダンサー、そしてそのダンサーに振付けを提供する振付師(場合によっては同一人物)の共作ととらえた「モーション権」という新しい概念を提唱します。公式3Dモーションは動画に紐づいて個別認識を実現しており、このコンセプトをもとに、3Dモーションデータ取引による収益の一部を著作権同様に半永久的にモーションの作り手に還元していきます。このことによって、ダンス・クリエイターの活躍場所が再定義され、さらなる拡張を経て世界をより豊かにするムーブメントの種を蒔いていきます。
従来、振付けを含むモーションに関しては、権利者が不明であることに加えて、どのように許可を取ってよいかが不透明であることから、多くの企業やプロダクションが活用を敬遠するシーンが見受けられました。また、活用された場合においても盗作・盗用と非難を受けるケースさえ少なくありませんでした。このような活用側と作り手側の複雑困難な流れのなかで、相互にとってWinWinとなる新しい選択肢をGESRECが提供したいと考えています。(プレスリリースより)
これまで不透明な部分が多かった「ダンスに対する権利」を明確にするとともに、二次利用によるダンサー・振付師のマネタイズをサポートする、サスティナブルなマーケットプレイスとなっている。
GESRECのウェブサイトでは、誰もがどのようなモーションがあるのかを一覧することができ、購入者はオンラインの3D空間上で様々な角度からコンテンツを何回でも閲覧することができる。3Dモーションデータをダウンロードして二次利用(デジタルデータの転売は不可)することも可能だ。
また、GESRECは現在、公式3Dモーションデータのアーカイブを活かし、その可能性を示すような3Dショーケースの企画を進めている。数ヶ月以内に、特別なアプリやソフトウェアを必要とせず、誰もがインターネット上で3Dコンテンツを楽しめるものを公開予定とのこと。世界各地の民族舞踊など失われつつある「動き」の保全を目的に、年々踊り手が少なくなり存続が危ぶまれるような分野にフォーカスしたコンテンツ制作も進めており、保護・復元・再生など、人類の未来に資することを目指している。