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2024.01.18

知財ニュース

人間の思考を読んでテキスト化─大規模言語モデル「BrainGPT」、実験動画を公開

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シドニー工科大学の研究チームは、「生の脳波を直接言語に翻訳する」という大規模言語モデル「BrainGPT」を開発し、論文を発表した。この論文は2023年12月10日から16日にかけて行われた人工知能と機械学習の研究者のカンファレンスイベント「NeurIPS」において、注目論文として選出された。

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脳信号を言語に翻訳する技術は、MRI装置や、イーロン・マスク氏のニューラリンクのように脳に電極を埋め込む手術などが必要だった。今回開発された「BrainGPT」はユーザーが帽子を被り、脳波図(EEG)を使用して頭皮を介して読み取った脳波を元に、大規模言語モデルを通してテキストを生成する仕組みだ。研究チームは「これは、脳からテキストへの翻訳プロセスに離散エンコーディング技術を初めて組み込んでおり、ニューラル デコーディングへの革新的なアプローチを導入しています。」と述べている。

実験では、被験者は画面に表示されたテキストを頭の中で考えるよう指示された。BrainGPTが読み取った結果はかなり情報が抜け落ちてはいるものの、それぞれのパーツは適切に読み取れていた。また、文章が短いパターンの場合、より全体的に意味の近い文章を生成することができたとのことだ。

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今回の論文の筆頭著者のイークン・ドゥアン氏は、「このモデルは、名詞よりも動詞の照合に熟達しており、名詞に関しては、「著者」の代わりに「その人」など、同義語を使用する傾向が見られた」とし、「これは、脳がこれらの単語を処理するときに、意味的に類似した単語が同様の脳波パターンを生成する可能性があるためであると考えている。」と説明した。

機械翻訳の評価方法を測定する「BLEUスコア」で測定した際の結果は約0.4。研究者らは、これが従来の言語翻訳または音声認識プログラムと同等の0.9に近いレベルまで改善されることを期待しているとのことだ。

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Top Image : © シドニー工科大学 研究チーム

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