News
2022.07.04
知財ニュース
大阪芸術大学、2025年大阪・関西万博に向けて「アンドロイドと音楽を科学する世界初のラボ」を開設
大阪芸術大学は、同大学アートサイエンス学科棟に、『アンドロイド』と『音楽』が融合する新たなアートサイエンスを生み出していく施設「Android and Music Science Laboratory (AMSL)」を開設した。渋谷慶一郎、石黒浩、今井慎太郎が参加し、設計は妹島和世が担当している。
同大学は2017年に、日本唯一となるアートサイエンス学科を設置し、アンドロイドをはじめ、AI・IoT・5Gなど社会が求める先端テクノロジーを用いて、世の中をアップグレードするモノやコトを生み出せるアートの知見を養う環境を整備している。
Android and Music Science Laboratoryに登場する最新アンドロイド「Alter4」は、2022年のドバイ万博にも登場した人間酷似型ロボットAlter3の進化版であり、今回、表情筋の可動域が増え、舌の動作が強化されたことにより豊かな表情を生み出すことが可能となった。
また、全身の強度が増し関節数は43から53に増えたことによって、よりダイナミックな表現で音楽作品を表現可能に。Alter4を通じて新たなアートサイエンスの始まりを体験できるという。
4月27日に開催された開所式において、アートサイエンス学科 渋谷慶一郎客員教授はアンドロイドと音楽が織りなすアートサイエンスの面白さについて、「アンドロイドと音楽を掛け合わせることでどのような作品を生み出せるか、ここ数年取り組んできましたが未だに開拓すべき大きな可能性があると感じています。このラボは立体音響の開発システムも導入したので、音像の移動や生成とアンドロイドの象徴性や発する言葉などとの関係を考えることで、人間だけでは作れない作品を作れたらアートサイエンスと呼ぶにふさわしいと思います。」とコメント。そして、「事前にプログラムすることなく、私が演奏する音楽に合わせて、即興でアンドロイド自らが考えて歌うことのみでやってみようと思うので是非そこにも着目してもらえれば。」と演奏会の見どころを説明した。
演奏会では渋谷慶一郎客員教授による楽曲、ピアノ演奏と電子音と、Alter4による歌唱・自律的に生成された歌詞とが織りなす作品はまさに圧巻で、鑑賞している多くの学生や来賓の心を揺さぶったという。
Top Image : © 大阪芸術大学