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2023.02.16
知財ニュース
インターステラテクノロジズ、国内初の民間大型ロケット「DECA」開発を発表─打ち上げコストを10分の1に
堀江貴文氏が創業した宇宙ベンチャー・インターステラテクノロジズ株式会社が、国内初となる民間主導による小型衛星コンステレーション用大型ロケット「DECA」の開発に着手した。
「DECA」は、大型衛星の軌道投入や宇宙ステーションへの物資輸送にも対応した、小型衛星コンステレーションを構築する大型ロケット。「ロケット×人工衛星」の垂直統合の強みを最大限に発揮した自由度の高い大量打ち上げを実現できる。
「DECA」では、インターステラテクノロジズが開発した3度の宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」や、超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の設計上の工夫や生産技術の革新により、抜本的な低コスト化を継承している。さらに、機体の大型化に伴い、「ZERO」をはじめとする小型ロケットではコストメリットが小さかった再使用技術を新たに採用し、従来より一桁安い価格での開発が可能になった。
インターネット通信の普及や、衛星データを活用した「超スマート社会」の実現などから、世界的に競争が激化している宇宙市場。宇宙輸送システムは宇宙市場のインフラであり、自立的な宇宙へのアクセスができなくなると国益の損失は甚大になりうる。そのため、低コストで国際競争力のある宇宙輸送システムの重要性は年々増している。
日本は2022年7月、「革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会取りまとめ」の公表において、民間との連携により、従来の10分の1以下の抜本的な低コストを図ったロケットを開発すると発表。
インターステラテクノロジズは、宇宙への大量輸送時代に適したサービスを2030年代に実現することを目標に開発を推進し、日本国内での低コストで自立的な将来宇宙輸送システムの確保に積極的に貢献していくとのこと。最先端の再使用技術も取り入れることで抜本的に低コスト化を図り、国際競争力のある宇宙輸送サービスを国内に構築するとしている。
Top Image : © インターステラテクノロジズ 株式会社