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2022.07.11

知財ニュース

透明・黒色・金属製の物体も─高品質3Dスキャン代行サービス「PFN 3D Scan」が企業向けに提供開始

株式会社Preferred Networks(以下 PFN)は、様々な物品を高品質な3Dモデルとしてデジタル化する3Dスキャン代行サービス「PFN 3D Scan」を2022年6月20日、日本国内の企業向けに提供開始した。

PFN 3D Scanは深層学習を利用したPFN独自の技術を用いることで、従来の3Dスキャン技術が苦手としていた透明・黒色・金属を含めた多様な材質の物品のメッシュ・テクスチャ・マテリアル(形状・色・質感)を忠実に再現することが可能となった。提供される3Dモデルは、Eコマース、ゲーム・映像制作、メタバース、文化財の保存などにすぐに利用することが可能だ。

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従来の3Dスキャン技術は主に光を投影して距離を測る工業用等の3Dスキャナーと複数のカメラ画像のみを用いたフォトグラメトリの2つに分類される。

前者は正確な形状が得られる一方でテクスチャが荒いものが多く、後者はテクスチャが忠実に再現できる一方で模様のない面が正確に認識できないなどの問題が指摘されており、どちらの技術でも透明・黒色・金属製の物体の3Dモデル作成は困難とされている。そのため従来の3Dスキャン技術では、見た目の再現が困難な物体が多く、専門家が手作業で3Dモデルをゼロから作るか、高額な専用スキャナーでスキャンしたデータをかなりの時間をかけて加工する必要があった。

PFN 3D Scanでは深層学習に使われるニューラルネットワークおよび微分可能レンダリングという技術と独自の3Dスキャン装置を用いることで、従来の技術が苦手としていた幅広い材質の物体でも、見た目を忠実に再現するテクスチャ付き3Dメッシュをコンピュータが生成することができる。

PFNは、PFN 3D Scanで様々な物品をこれまで以上にデータ化しやすくすることにより、「現実世界を計算可能にする」という企業ビジョンを実現していくとしている。

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サービス利用には、公式サイトから企業ユーザーが登録を申し込み、3Dモデル化したい物品を窓口に発送することで利用ができる。対象となるのは幅30cm以内 × 奥行30cm以内 × 高さ30cm以内、重量2kg以内の物品で、料金は物品1点につき税抜き2万円だ。(発注の数量等によって相談可)

データは物品到着から5~10営業日で作成され、ダウンロードリンクが送付され物品は返送される。納品形式は glTF, FBX(USDZ, OBJ, STLも可、Unityアセット・Unreal Engineアセットでの提供も対応予定)となっており、マテリアルとしてBase Color、Roughness、Metallic、Transmissionが付属する。

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Top Image : © 株式会社 Preferred Networks

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