News
2024.11.13
知財ニュース
JR東日本「TAKANAWA GATEWAY CITY」文化創造棟、2026年春に開館―未来につなぐ「MON」を開く
JR東日本が手がける東京・高輪の開発プロジェクト「TAKANAWA GATEWAY CITY」の文化創造棟が、2026年春に開館する予定だ。同施設の企画・運営を担うJR東日本文化創造財団が、2024年10月30日に発表した。名称は「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)に決定。建物や施設の概要についても公開した。
「TAKANAWA GATEWAY CITY」では、街全体を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけて開発を進めている。文化創造棟はその1つで、ミッションは「100年先へ文化をつなぐ」。文化・芸術・技術などの垣根を越えて、さまざまな領域をつなぎ、新しい創造を生み出す場を目指している。
そうした思いを込め、名称の冒頭「MoN」には、多様な分野をつなぎ、初めての体験や知らない世界、新しい自分と出会う「門」の意味を持たせた。伝統とテクノロジー、アートとサイエンス、都市と自然、パフォーマンスと展覧会など、異なる分野や領域をつなぐことを想定している。
「Narratives」(=物語)には、拠点で創られた物語を世界中の人と共有し、未来へつないでいく思いを込めた。伝統と未来をつなぎながら、国内外の訪問者とともに新しい物語を紡ぎ出し、100年先に届けることを目指す。また「Museum」に未来に「知をつなぐ」という意味を含め、モノやコトをデジタルで記録して後世に伝えていくという。
建物は、地上6階・地下3階のらせん構造で、隈研吾建築都市設計事務所が外装をデザイン。建物全体を緑で覆い、屋内外をシームレスにつなぐ。各フロアもゆるやかなスロープでつなげる予定で、屋上庭園まで散策可能。植栽は日本の在来種を中心に行い、四季の移ろいを楽しめる環境を構築する。
施設では、アート、サイエンス、テクノロジー、エンターテインメント、日本の四季、伝統文化などをかけ合わせ、分野を横断しながらさまざまなコンテンツを展開する。また、半年ごとに複数ジャンルを掛け合わせた館全体の「シーズンテーマ」を設定し、全館でアクティビティを提供する予定だ。
約1500㎡の展示室「BOX1500」では、メイン会場としてシーズンテーマに沿ったオリジナル企画の展覧会を実施予定。着席最大約1,200席・スタンディング約2,000名を収容できるシアター空間「BOX1000」では、ライブ・パフォーマンスを開催する。
扉が開閉する自由な実験空間「BOX300」も提供する。企業や研究機関、アーティストの先端プロジェクトや共創による実証実験などの展開を想定。夜はDJやパブリックビューイングなどのイベントを予定している。
さらに、約100畳の畳スペース「TATAMI」を設置し、和の文化とテクノロジーを掛け合わせたプログラムを行う。草木や花、野菜などの栽培が行われる「屋上庭園」や、月の映り込みをデザインした「月見テラス」では、お花見やお月見など季節に応じたイベントを開催する予定だ。
そのほか、開催中のプログラムや参加クリエイターの書籍・グッズなどを展開する、地下2階の巨大な本棚「メディアシェルフ」も見どころ。また1階エントランスからは、開発プロジェクトの工事中に発見された「高輪築堤跡」を見渡せる予定だ。2026年春の開業が期待される。
Top Image : © JR東日本