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2023.06.02

知財ニュース

マイクロソフトが「Windows Copilot」発表─会話AIをOSに統合、GPT-4搭載、AI生成コンテンツを見分ける機能も今後提供

MicrosoftBuild

米Microsoftは現地時間5月23日~24日、開発者向けカンファレンスである「Microsoft Build 2023」を現地とオンラインのハイブリッドで開催した。メインテーマは生成AI。50を超える新たな機能やツールなどを公開した。

全体的な方向性として、生成AIや、Microsoftが提供する検索エンジン「Bing」などの保有システム、プラットフォームとの相互連携・活用を可能にしている。ここではピックアップして紹介する。

基調講演でサティア・ナデラCEOが真っ先にあげたのは、Bingの検索機能をChatGPTに導入すること。先日OpenAI社がChatGPTに最新情報をネットサーチする機能を追加したばかりだが、そのサーチエンジンにBingを搭載する。同日より有料サービス「ChatGPT Plus」で使用可能にしている。

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同社が注力するアプリケーション「コパイロット(副操縦士、copilot)」が各所で使えるようになる。コパイロットは、AI技術とGPT-4 などの言語モデル (LLM) を用いて複雑な処理が可能なアプリケーションで、人の作業を支援する。すでにMicrosoft 365などに搭載されているが、今後はWindowsに導入予定。タスクバーに常駐し、リサーチ支援やアプリ操作のサポートなどをしてくれる。

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またBingに多数のプラグインを追加することも発表。これまではOpenTableとWolfram Alpha のみだったが、Adobeやbox、Expedia、Instacartなどが名を連ねている。

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カンファレンスの中では、信頼を得られるAI開発のための環境構築・システム提供などについても説明。今後数カ月以内に、画像や動画がAIによって生成されたコンテンツかどうかを検証できる、新しい証明機能を追加すると発表した。暗号化手法を用いて、AIが生成したコンテンツに出所に関するメタデータを記録・署名するという。

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講演の中で、サティア・ナデラCEOは、スティーブ・ジョブズが語った好きなフレーズとして「コンピューターは心の自転車(computers as bicycles for the mind)」に触れ、ChatGPTの登場で、自転車から蒸気機関車に進んだと述べている。責任ある開発のもと技術革新がもたらす未来に、より一層期待が高まりそうだ。

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Top Image : © Microsoft

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