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2025.09.24

知財ニュース

旭化成、高強度の青色LEDライトで衣類の黄ばみを落とす研究を発表

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旭化成の研究チームは、高強度の青色LEDライトの光で衣類の黄ばみを落とすことができる研究成果を発表した。この研究成果は、2025年8月1日付の『ACS Sustainable Chemistry & Engineering』誌に掲載されている。

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従来使われている、過酸化水素漂白などによる繊維漂白法は、酸化剤、溶剤、熱に依存することが多く、繊細な生地には適さず、大量のエネルギーと化学物質を必要とする。研究チームは、衣類の黄ばみを除去するための新しい漂白法を提案した。

酸素を供給した条件下で高強度の青色LEDライトの光を照射すると、酸化剤や有機溶剤を必要とせずに、黄ばみの原因となる化合物が無色の化合物に酸化分解されることを発見した。この方法は、オレンジジュース、トマトジュース、抗酸化物質など、様々な天然物質で染色された布地に適用することに成功したとのこと。

二次的な発色団を生成し繊維を損傷する可能性のある紫外線による光分解とは異なり、このプロセスは着色成分を選択的に標的とするため、紫外線漂白よりも汎用性があるとしている。また、過酸化水素などの従来の酸化剤を使用しないため、漂白の環境への影響を低減することができる。無溶剤であるため、繊細な繊維にも使用でき、持続可能な洗浄方法としても有望だ。

研究論文はこちら

Top Image : © 2025 American Chemical Society

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