No.1101

2025.12.20

トヨタの実証実験都市

Toyota Woven City

Courtyard

概要

「Toyota Woven City」とは、トヨタがウーブン・バイ・トヨタともに開発を進めてきた未来の実証都市で、人々が実際に住んで、働いて、遊んで、生活を送りながら実証に参加することができる。モビリティのテストコースと位置付けられ、企業や個人が様々なプロダクトやサービスの実証を行う。2025年9月より、トヨタ関係者とその家族数世帯が住み始め、Phase 1では最終的に300名程度が住むとされる。一般ビジターとしての受け入れは、2026年度以降を計画している。住民は、将来的には全エリアで2,000人に拡大する予定とされている。

Official Launch 1

Official Launch 2

Summon Share (Guide Mobi)

なぜできるのか?

実証実験を行う巨大な都市型施設

人々が実際に住んで、働いて、遊んで、そんな生活を送りながら実証に参加する街として機能する都市。Woven Cityを活用して新しいプロダクトやサービスを開発・実証する企業・個人は、「Inventors(インベンター/発明家)」と呼ばれ、トヨタのものづくりの知見やWbyTのソフトウェア技術、そして各Inventorが持つ様々な強みや専門性といった、自分たちが持っていないものを掛け合わせることで、いまは存在しない価値をつくり出す。この「Inventors」が開発するプロダクトやサービスを試し、その使い勝手や感想を伝える住むヒト・訪れるヒトを「Weavers」と呼ぶ。「Inventors」は、「Weavers」による使い勝手や感想などのフィードバックを発明に活かしていく。

トヨタの東富士工場の跡地に建設

2011年の東日本大震災により甚大な被害を受けた東北地方を長期的に支えていくため、トヨタは2020年12月に東富士工場を閉鎖し、生産拠点を東北へ集約した。この移転により数千人の雇用が創出され、東北の復興と再生に大きく貢献した。「Toyota Woven City」は、この閉鎖した東富士工場の跡地に建設され、新たな拠点として、50年以上にわたるトヨタの輝かしい歴史を継承し、東富士工場で培ってきた「誰かのために」という想いを受け継いでいく。

街全体が実証実験の場

街全体は、地上が「歩行者専用の道」、「歩行者とパーソナルモビリティが共存する道」、「モビリティ専用の道」の3種類に分類される。地上の道に加えて4本目の道とする地下の道では、天候や気温等に左右されず実証がしやすい環境を整備。街全体の信号は、モビリティと連動して、信号の切り替えタイミングを制御するシステムを導入し、三位一体で交通安全を目指す。また、街路灯と信号柱としての機能に加えて、実証で使用するセンサーやカメラなどを取り付けることができる多機能ポールを設置する。

トヨタのモビリティが走行

人の輸送やモノの配達に加えて、移動用店舗としても使われるなど、街の様々な場所で活躍する完全自動運転モビリティ「e-Palette」が走行。また、自律走行ロボット「Guide Mobi(ガイドモビ)」によるシェアカーの自動搬送サービス「Summon Share(サモンシェア)」の実証、自由に安心して楽しめる電動小型三輪モビリティ「Personal Mobility Vehicle(PMV)」によるシェアサービスの実証などを行う。

相性のいい産業分野

IT・通信

最先端モビリティの実証のモデルケースとしての活用

生活・文化

生活環境に特化した製品の開発への貢献

教育・人材

研修やワークショップの現場としての活用

住宅・不動産・建築

住みながら最先端技術を体験できる住まいの提供

この知財の情報・出典