テープのないファスナー

ファスナーテープを無くしたことで、ファスナーと生地の一体感が生まれ、すっきりとした印象のデザインになり、配色によってはファスナーや縫い糸を際立たせることも可能。今までになかったデザインが可能となる。テープを排することで最終製品の軽量化に貢献し、生地に追従しやすく、柔軟性にも富んでいる。また、テープ付きファスナーと比較して生産時に発生する温室効果ガスの排出量も削減することができる。

専用ミシンの開発

エレメントを直接生地へ縫製できる専用ミシンを開発したことで、テープのないファスナーが実現した。専用ミシンは、布地にエレメントを沿わせ、ジグザグ縫いで縫製。電子千鳥縫いミシンをベースに、エレメントを布地と同期させて確実に送る新機構のほか、各種部品にも専用の改良を加えた。さらに、縫いを制御するパネルで、生地の種類に応じた適切な送り量や縫いピッチを設定でき、縫製オペレータをサポート。専用ミシンは、JUKIが製造し、YKKがこのファスナーの縫製を行う会社にレンタルする。

ファスナー、ファスニング事業を手がけるYKKと工業用ミシン事業のJUKIが共同開発

YKKは、ファスナー、ファスニング事業を手がける企業。徹底した品質管理と一貫生産システム、ユーザーのニーズに応じた供給体制のもと世界中で同一の高品質を提供することで信頼を確立してきた。JUKIは、185ヵ国で使用されている世界No.1シェアの工業用ミシン事業のほか、家庭用ミシン事業、産業装置事業、受託事業、ストレージ事業の5つの事業をグローバルに展開。この2社の共同開発によってテープのないファスナーが実現した。