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2026.05.18
知財ニュース
NHK放送技術研究所と千葉大学、「発光」と「太陽光発電」を切り替えて使用できる有機ELディスプレーデバイスの開発に成功

NHK放送技術研究所(技研)は千葉大学、京都大学と共同で、一つの素子で「発光」と「太陽光発電」を切り替えて使用できる「発電できる有機ELディスプレーデバイス」の開発に成功したと発表した。この研究成果は2026年1月20日に学術論文誌であるNature Communications誌に掲載されている。
これまで、電気を与えて光を発する発光と、光を受けて電気を得る太陽光発電は逆過程のため、これら2つの機能を一つの素子で両立するのは困難だった。しかし、今回、発光に必要な高い発光効率と太陽光発電に必要な強い光吸収特性を兼ね備えた材料「MR-TADF材料」を用い、素子内部のエネルギーを精密に制御することで、発光と太陽光発電を切り替えて使用できるデバイスを実現した。
ディスプレー応用に向けて赤、緑、青の発光に成功し、特に、発光と発電を両立したデバイスで青色の発光を実現したのは世界で初めてのことだ。また、本デバイスは青色から赤色、白色に至る全可視光領域での発電が可能とのこと。
このデバイスには、これまで技研が研究開発を進めてきたフレキシブル有機ELディスプレーの技術を応用し、MR-TADF材料については京都大学と、動作原理の解明については千葉大学と共同で研究を進め、開発に成功した。
技研が研究しているフレキシブル有機ELディスプレーは軽量性、収納性、衝撃耐性、可搬性などの優れた特徴により、ディスプレーの利便性やデザイン性を向上させ、さらには没入感・臨場感あふれる将来の新しい視聴スタイルを生み出すことが期待されている。フレキシブル有機ELディスプレーの研究開発の中で、ディスプレーの長寿命化を解決するため、柔軟なプラスチックフィルム上でも安定した発光を可能とする技術の研究に取り組んできた。
今回、有機ELを安定して動作させるために技研が培ってきた電荷注入材料とデバイス作製技術を応用して、これまで実現が困難だった「発光」と「発電」を両立したディスプレーデバイスの開発に成功した。
今後は、発光と発電のさらなる高効率化や耐久性の向上を進め、消費電力の少ないディスプレーなどの実用化を目指す。また、将来、発電機能を備えた有機ELディスプレーができれば、ディスプレー部で発電した電力を再利用して、災害時など電源がない環境でも映像を表示できるようになることが期待される。
Top Image : © NHK放送技術研究所


