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2025.09.25
知財ニュース
HP、素材を3Dデジタルデータに変換できるスキャナーをAdobe社と共同開発―「HP Z Captis」

HPは、Adobe社と共同で素材をスキャンして高品質の3Dデジタルデータに変換できるスキャナー「HP Z Captis」を開発した。同社のパートナー向けイベント「HP Partner Communication 2025」などでも披露され、CES 2025 Innovations Awards®では、「Computer Peripherals & Accessories」(2024年度)において最優秀イノベーション賞を受賞している。
「HP Z Captis」は、Adobe社と共同で開発したスキャナーで、立体的な素材を素早くスキャンして高品質の3Dデジタルデータに変換することができる。スキャナーの内部には、カメラと8つのライトが設置されており、最大8K解像度で素材をキャプチャすることが可能だ。
素材の取り込みは、「HP Z Captis」の土台部分に取り込みたい素材を配置し、ボタンを押すだけで取り込みができる。NVIDIAのJetson AGX Xavierを搭載し、ノイズ低減、HDR、色補正、ピクセル補正などの効率的な画像処理も可能なのだという。
取り込んだデータは、Adobeの「Adobe Substance 3D Sampler」で処理することで簡単にデジタル化でき、あらゆる3Dオブジェクトに単独で適用したり、他の色やパターンと重ねたりすることができる。
例えば、取り込んだ革素材を車の内装の3D画像に、テキスタイル素材では衣服に適用したりすることができる。また、素材を編集したり組み合わせたりすることで、独自の新しいテクスチャを作成することも可能だ。データは、sbsarファイルとしてエクスポートすることで、幅広いアプリケーションでの使用ができるようになる。
取り込みたい素材のサイズが大きい場合や、持ち運びが難しい素材などは、スキャナーの上部を取り外して素材の上に置いて使用することができる。
「HP Z Captis」は、布、革、木材、コンクリートといった素材から、レースといった複雑な素材まで、幅広い素材に対応でき、ファッション、建築、工業デザイン、VFX、ゲームなど、あらゆる業界の素材をデジタル化する優れたソリューションになるとしている。
Top Image : © HP