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2024.06.13
知財ニュース
佐川急便、働き手不足を解消する業界初「AI搭載荷積みロボット導入」
佐川急便と、米国のユニコーン企業でAIロボティクスソフトウェアの開発等を行うDexterity, Inc.、SGホールディングス株式会社、住友商事は、今後の輸送力不足に対応する取り組みの一環として、「AI搭載の荷積みロボット」の実証実験を行う共同プロジェクトを2023年12月に発足した。1年間の実証実験を行い、早期の実用化を目指している。
現在、Dexterityの米国施設にて、佐川急便が求める輸送品質と人手作業の代替として十分な機能が果せるかを確認すべく実証実験を行っており、今後新設される佐川急便の中継センターなどへの導入を検討する予定と2024年5月23日、発表した。
国内で初めて、トラック庫内で荷積み作業に最適なAI搭載ロボットを開発する試みに挑んでおり、荷物のサイズや形状、重さ、送り状の細かな記載内容や梱包資材の状態まで、作業者が瞬時に判断し、適切に扱う熟練の作業者だけが持つ経験とノウハウを、AI搭載ロボットに託し、新たな挑戦に取り組むとしている。
佐川急便は、4月1日から公開している特設Webサイト『“物流を止めない 持続可能な物流を”NEVER STOPS LOGISTICS』に第2弾となるコンテンツを掲載。このWebサイトでは、社会課題のひとつとされる「物流2024年問題」だけでなく、さらなる未来を見据え、持続可能な物流の実現に向けた佐川急便の取り組みを紹介しており、適宜更新する予定とのことだ。
「物流2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が規制されることで起こる諸問題のこと。こうした影響を受けて、従来どおりに荷物が届かなくなるのではと懸念されており、物流業界全体が「経済を回す血液」として、その本来の役割を果たせなくなりかねないのだという。
佐川急便では、持続可能な物流の実現に向けてさまざまな課題と向き合い、特設サイト『“物流を止めない 持続可能な物流を”NEVER STOPS LOGISTICS』ではその取り組みを継続して発信している。
特設Webサイトの第2弾コンテンツでは、「独自サービス“スマートクラブ”による再配達削減」、「長距離ドライバーの長時間労働の改善につながる『スワップボディ車』の活用」、「働き手不足を解消する『AI搭載荷積みロボット導入』への挑戦」が掲載されている。各コンテンツの概要は以下となる。
「独自サービス“スマートクラブ”による再配達削減」は、2020年2月から同社が提供しているサービス「スマートクラブ(略称:スマクラ)」についてが紹介されている。会員数は1,700万人を突破(2024年3月末時点)し、前年比136%と大幅に増加中だ。
「長距離ドライバーの長時間労働の改善につながる『スワップボディ車』の活用」では、「スワップボディ車」の仕組みとその活用による長距離ドライバーの長時間労働の改善についてが紹介されている。例えば、東京~大阪間の長距離輸送では一泊二日かかっていたものが、日帰りで運行が可能になるとのこと。
「働き手不足を解消する『AI搭載荷積みロボット導入』への挑戦」では、今後の輸送力不足に対応する取り組みの一環として、「AI搭載の荷積みロボット」を開発中だ。2023年末より実証実験を行う共同プロジェクトを開始し、佐川急便が求める輸送品質と人手作業の代替が可能かを確認すべく実証実験を行っている。
Top Image : © 佐川急便 株式会社