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2021.08.18
知財ニュース
テトラが「空飛ぶクルマ」eVTOLの新機種“Mk-5”を米国で一般初公開、予約販売を開始
テトラ・アビエーション株式会社は7月26日、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれるeVTOL(垂直離着陸型航空機)の新機種“Mk-5(マークファイブ)”を米国にて一般初公開し、合わせて予約販売も開始した。
同社は、2020年2月に米国で開催された国際航空機開発コンペ「GoFly」において唯一の賞金獲得チームとしてディスラプター賞を獲得し、その後1年をかけてMk-5の開発に取り組んできた。
Mk-5は、固定翼に32個のローターを搭載したeVTOLで、これにより垂直方向へ飛行することができ、尾翼にある1個のローターで水平方向への飛行も可能となる。さらに、32個のローターの4つが故障した場合でも安定した飛行を行うことができるという。
今後は個人顧客向けに40機ほどの予約を獲得し、予約から1年後のデリバリーを実現するとしている。また、米国においては、プライベートパイロットライセンスを持つ富裕層向けに販売することで顧客コミュニティを形成し、ユーザーとともに次世代eVTOLを開発し、量産へつなげる予定だ。引き続き日米の開発拠点を行き来し、資金調達をしながら開発を進めるとのこと。
昨今、世界中で「空飛ぶクルマ」関連のニュースが頻繁に聞かれるようになっており、日本国内でも空飛ぶクルマのプラットフォーム事業を手がけるエアモビリティ株式会社が、スイスの空飛ぶクルマメーカーであるDufour Aerospace社と日本市場における代理店契約を締結したことを発表した。
また、経済産業省と国土交通省が設立した「空の移動革命に向けた官民協議会」では、2023年を目標に事業をスタートさせることを示唆しており、2025年に開催される大阪万博では「空飛ぶクルマ」を使った観客の輸送サービスも予定されている。
移動や物流に大変革をもたらす空飛ぶクルマの実用化は、すぐそこまで迫ってきている。次世代航空モビリティの今後の動きを、引き続き追っていきたい。
Top Image :©テトラ・アビエーション株式会社