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2024.04.19
知財ニュース
NASA、月面で自律運転する小型探査車の試験運用を開始
米航空宇宙局(NASA)はCADRE(Cooperative Autonomous Distributed Robotic Exploration)プロジェクトで、新技術の実証実験として小型月面探査車(ローバー)のネットワークを開発し、試験運転を実施したと2024年3月7日、発表した。
Credit: NASA
小型月面探査車(ローバー)は4輪で、キャリーバッグほどの大きさだ。ソーラーパネルを動力源とし、月の地形を3Dでマッピングするためのカメラ、ナビゲーションセンサー、地中レーダーを搭載している。探査車はほぼ自律的に動き、人間の介入を常に必要とせずに意思決定や行動を行う。
この探査車は異なる場所から同時に計測を行うことで、1台のロボットでは収集不可能なデータを複数のロボットが共同で記録できることを実証する。この成功は、このような分散型測定に基づく科学目標の追求、危険な未踏地への進入、あるいは宇宙飛行士の活動を支援する自律型マルチロボット・ミッションへの道を開く可能性があるとしている。
NASAのジェット推進研究所(JPL)によって開発されたCADREは、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS:Commercial Lunar Payload Services)構想の一環として、2024年に「IM-3」と呼ばれるIntuitive Machines社による3回目の月面着陸船ミッションで打ち上げられ、月のライナーガンマ領域に到着する予定だ。月の1日の日照時間 (地球日数の約14日) を費やして、ロボットの能力をテストする実験を行うとのこと。
Top Image : © NASA