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2024.08.28
知財ニュース
大阪大学、赤外光で発電する透明太陽電池を開発―窓ガラスで発電可能に
大阪大学産業科学研究所の坂本雅典教授らの共同研究グループは、未開発の太陽エネルギー資源である赤外光のエネルギー資源化を進めている。
地表に到達する太陽光のおよそ半分は赤外域の太陽光(赤外光)だ。しかし、赤外光を捕集し、人類に有用な電気・化学エネルギーに変換することは非常に困難で、人類はもとより、長い太陽光利用の歴史をもつ植物でさえ成し遂げていないのだという。赤外光を電力や化学エネルギーなどに変換する技術が実現すれば、人類に新たなエネルギー資源をもたらすことが可能となる。
坂本教授の研究グループは、赤外域の光を選択的に捕集し、エネルギーに変換する技術の開発を進め、世界最高の効率で赤外光の化学エネルギー変換に成功した。また、赤外光が目に見えない事を利用した透明な太陽電池の開発にも成功している。
赤外域の太陽光で発電する透明な太陽電池は、住宅やビルの窓ガラスなど、既存の太陽電池が設置できなかった場所に設置することができ、社会実装が実現すれば街全体が発電所となり、今までにないエネルギー生産の技術となる。
また、研究室の成果を基に大学発スタートアップ(株)OPTMASSを設立。赤外域の光を捕集し、発電する窓ガラスの開発と社会実装を推進している。
Top Image : © 大阪 大学