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2024.01.30

知財ニュース

日本初、小型月着陸実証機「SLIM」が月面着陸成功─世界で5カ国目の快挙、ピンポイントで月面着陸

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日本の月面探査機「SLIM」が、1月20日午前0時20分(日本時間)、世界初となる高精度月着陸を達成した。今回のSLIMによる月面着陸は日本初であり、旧ソ連、米国、中国、インドに続く、世界で5カ国目。

着陸後のデータを分析した結果、SLIMプロジェクトの目的として設定されていた誤差100メートル以内の精度での月面着陸を達成したことが確認された。

JAXAによると、SLIM(小型月着陸実証機(Smart Lander for Investigating Moon))の着陸地点は、当初の着陸目標地点から東側に55メートル程度の位置と推定されている。この結果は、数~十数キロメートルの誤差が生じていた従来の着陸精度を大きく上回るもので、世界初の成果となる。

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SLIMプロジェクトは、①小型の探査機による月への高精度着陸技術の実証、②軽量な月惑星探査機システムの実現による月惑星探査の高頻度化、の2つを目的としており、SLIMはそのために開発された小型探査機で、2023年9月7日にH-IIAロケットによって打ち上げられた。

SLIMの開発成果は今後の月惑星探査の基盤となるもので、今回の着陸もふまえて月惑星探査の更なる進展が期待されている。

SLIMのシステム開発は、三菱電機がJAXA(宇宙航空研究開発機構)から受注し、全体のシステム開発を担当。SLIM全体の設計・製造・試験を担当してきた。三菱電機はJAXAが推進する国内衛星開発プロジェクトの半数近くに主契約者として参画。日本の宇宙開発におけるリーディングカンパニーとして業界を牽引している。

三菱電機は、「今後も保有する先端技術の更なる強化を図り、国際協力で推進されているアルテミス計画等への参画を通じて、持続的な宇宙探査活動の確立や人類の活動領域の拡大等に貢献していきたい」と展望を語った。

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Top Image : © 三菱電機 株式会社

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