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2021.03.17

知財ニュース

パナソニックが小型ロボットによる配送サービスの実証実験をFujisawaSSTでスタート、医薬品のロボット配送は国内初

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コロナ禍において、人との接触を避けるために医療機関を受診する人が減っています。感染リスクを抑えることは重要ですが、その一方で、厚生労働省は自己判断で受診を控える過度な「受診控え」に対して警鐘を鳴らしています。

そんな中、パナソニック株式会社は、株式会社アインホールディングス、Fujisawa SST協議会とともに、小型低速ロボットを用いた配送サービスの実証実験の実施を発表しました。神奈川県藤沢市のパナソニック工場跡地に造成された、100年先の未来を見据えたサスティナブルな街「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FujisawaSST)」にて2021年3月5日から実施されています。

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今回の実証実験では、2台の小型低速ロボットを用いて、処方箋医薬品をアイン薬局FujisawaSST店から住宅に向けて配送されます。屋外での小型低速ロボットによる医薬品の配送は国内で初めての取り組みです。

ユーザーは電話等による診察とアイン薬局の薬剤師からオンライン服薬指導を受けた後、小型低速ロボットによって配送された医薬品を受け取ります。診察、服薬指導、医薬品の受け取りまで、すべて非対面で完結することが可能となります。

また、医薬品の配送の他にも、冷蔵品の弁当を商業施設「湘南T-SITE」から住宅へ配送する実験も行われます。複数店舗と住宅をつなぐ配送サービスによって、新たな体験価値の創出を目指しているとのことです。

jn_panasonic_4 黄色で示されたルート上を走行

パナソニックでは、「小型低速ロボットを用いた住宅街向け配送サービス実証実験」を2020年11月から開始しており、これまでに公道走行における技術的な検証を実施してきました。今回の実証実験を通じて、配送インフラ構築に向けた取り組みが加速される予定です。今回の取り組みは、国の成長戦略実行計画における、小型低速ロボットの社会実装に向けた遠隔監視・操作型の公道走行実証の実施を踏まえて行われるもの。経済産業省が主催する「自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会」へ参画するとともに、本研究開発および実証活動の一部は、NEDO「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」の補助を受けて実施しているそうです。

ロボットの社会実装に向けて、日本では現在多くのプロジェクトが進行しています。人手不足が顕著な分野へのロボットの導入も進んでおり、ロボットによる配送の実現によって、物流業界における労働環境の改善も期待されます。コロナ禍での適切な医療機関の受診や、新たな体験価値の創出、物流業界の課題解決など、様々な点において注目を浴びる実験となりそうです。

実証実験の詳細はこちら

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