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2021.06.11

知財ニュース

赤ちゃんの産声が色鮮やかな生花に─生命の力をアートで表現する「産声 by サウンドオブ生け花」

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“日本文化の芸術表現”をテーマに活動しているMoMAコレクションアーティスト・土佐尚子による新作「産声 by サウンドオブ生け花」のオークションが、2021年3月24日より特設サイトにて実施された。

「産声 by サウンドオブ生け花」は、鮮やかな色彩の絵の具・オイルなどの粘性液体に音の振動を与えることによって、各種の色が融合しつつ飛び上がる様を、2000フレーム/秒の高速度カメラで撮影したビデオアートだ。スロモーションで変化する液体の様子がまるで生け花のように見えることから、『音の生け花』と名付けられた。

赤ちゃんの産声に合わせて絵の具が弾ける様子が生命の躍動感を感じさせる。

本オークションは、コロナ禍で生まれた母子、そして医療従事者への感謝と支援を目的とし、現代アーティストのプロダクション事業を展開する株式会社HARTiと、NFT事業展開に関して国内で3年以上の実績を持つCryptoGames株式会社により展開。世界で一つの限定デジタルデータとなるNFT(代替不可能なトークン)で、所有ユーザーは映像作品の視聴が可能となる。また、NFT作品のアートオークションは日本初の事例となり、収益の一部は医療機関に寄付されるとのこと。

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「産声 by サウンドオブ生け花」は現在、足立病院(京都市中京区)、凸版印刷、京都大総合生存学館特定教授らが共同した「産声プロジェクト」も進行している。本プロジェクトでは、足立病院で出産する希望者について、生まれたばかりの赤ちゃんの産声を録音し、同アート作品を制作。後日、産声をあげる赤ちゃんの映像と組み合わせた動画として家族の元に届けられる。作品の基本料金は1万5千円となっており、希望者はマグカップなどの商品にも展開可能だ。

独自のNFTショップを簡易に構築できるサービス「Mint」のリリースや、ライゾマティクスのNFT作品を購入できるプラットフォームの公開など、デジタルアートを取り巻く新しいビジネスとカルチャーは近年その様相を変化させ進化し続けている。

「産声 by サウンドオブ生け花」は今後も研究が進められ、宇宙時代の到来を見込んだ無重力状態での生成や、発展途上国を対象としたプロジェクトなどが実施される予定とのことだ。

土佐尚子NFT オークションサイト

Top Image : ©『Sound of Ikebana:音のいけばな』

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