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2022.06.07

知財ニュース

ごみゼロの町・上勝町で、ごみを資源化する「SUSTAINABREWERY(サステナブルワリー)」が始動

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RISE&WIN Brewing Co.(株式会社スペック)は、ごみゼロの町・上勝町で展開するクラフトビール工場に資源循環システムを導入した「SUSTAINABREWERY(サステナブルワリー)」を始動。工場から出る生ごみを液体肥料にしてビール原料である麦の栽培に使用し、循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現を目指す。

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ゼロ・ウェイストを理念とする同社は、2021年9月、上勝町で実現したい循環型社会の世界を「reRise(リライズ)」と名付け、実現に向けた取り組みを行ってきた。今回のシステムもその一環として行われ、液肥にはビール仕込みの過程で排出される約1tの「モルトかす」や「濃度の高い廃液」が活用される。

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製造された液肥は乳酸菌とアミノ酸を豊富に含んでおり、病気や害虫に強く苦みやエグ味の少ない甘みのある作物を育てられる。上勝町では現在、町内の農業生産者約40名がこの液肥を使用しており、「野菜が美味しくなった」「害虫がいなくなった」などの声が出ているという。

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同社は「reRise循環農業」と銘打ち、この液肥の特性を活かして、コーヒーやカカオなど上勝町では栽培が難しい作物の栽培にもチャレンジしていくとのことだ。

▶︎reRiseとは
reRiseの語源は「再起・再興」。私たち「RISE&WIN」が造った言葉で、上勝で実現したい循環型社会の世界を表す名称です。今回は、ビール工場の廃棄物を液肥にして原料(麦)の栽培をするという循環を作りましたが、上勝町には生ごみの課題以外にも、オムツ問題、ごみの回収問題、リサイクルできていない残り20%のごみなど、他にも解決していきたい課題が多くあります。私たちは課題を解決するテクノロジーを持つ企業や団体と協働し、上勝に魅力的な循環型社会(サーキュラーエコノミー)を作っていきたいと考えております。

▶︎reRise循環農業  分解の仕組みと液肥の成分
reRise循環農業は、有機廃棄物(生ごみ)を装置に直接投入し、微生物(乳酸菌を主体とした菌)の力で残渣物(タンパク質)を遊離アミノ酸に分解します。分解速度は、一般的な食品残渣であれば24時間以内に液肥化します(骨・貝殻・繊維質が固くて強いものは種類によって分解速度が変わり数日かかる場合もあります)。乳酸菌を主体とした液肥となるため、pH(ピーエイチ)は3〜4とやや強めの酸性になることで、長期の保存も可能です。

▶︎reRise循環農業  苦味の少ない美味しい野菜が栽培できます  
苦味の少な美味しい野菜が栽培できます液肥の特徴は、乳酸菌などの菌が豊富に生きている状態であることと、多くの種類の遊離アミノ酸が豊富に含まれていることが農業、酪農・畜産、養殖などの生産現場で大いに力を発揮します。特に農場でのテスト栽培を行った結果、化成肥料100%に比べ、ビール液肥100%で栽培したチンゲンサイの糖度・抗酸化力が約1.5倍に、また、苦味の元となる硝酸イオン(高い方が苦味が強い)が約30分の1になりました。

プレスリリースはこちら

RISE&WIN Brewing Co. 公式サイト

SUSTAINABREWERY 公式サイト

Top Image : ©︎ RISE&WIN Brewing Co.

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