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2024.11.07

知財ニュース

大成建設、チャレナジー、三井不動産の3社、超高層ビル屋上でサボニウス式風車による風力発電の実証実験開始

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大成建設チャレナジー三井不動産の3社は、2025年4月から横浜三井ビルディング屋上で、超高層ビル屋上としては国内初となる、サボニウス式風車による風力発電の実証実験を開始することを発表した。市街地での新たな再生可能エネルギー活用を目指す取り組みとなる。

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サボニウス式風車は、設置場所の選定や組立の容易さ、天候に左右されない安定した発電能力、低騒音・低振動、環境への配慮を兼ね備えた風力発電システム。

垂直軸で回転し発電する構造のため、太陽光発電装置や従来のプロペラ式風車に比べて設置面積が小さく、約3㎡の限られたスペースに安全に設置可能。軽量化と分割可能な構造により、重機を使わずに組み立てられるため、設置場所の選定も容易にできる。

また、風向に関係なく全方位から風を受けられるため、24時間連続発電が可能で、夜間や悪天候時でも安定した発電量を維持できる。風向の変化や弱風にも対応し、悪天候時にも風車を適切に制御することで、様々な気象条件下で継続的な発電を実現する。

さらに、風切り音やモーターの振動が少ない構造のため、騒音や振動の発生を抑えられる。これは、市街地での設置に適しているだけでなく、建物の屋上でも設置が可能となる。また、プロペラ式風車に比べ、鳥にとっても視認性が高いため、バードストライクが非常に発生しにくい形状だ。

昨今、建物のゼロエミッション化が進む中、風力発電は太陽光発電を補完する技術として期待されている。しかし、従来のプロペラ式風車は、騒音や振動、設置面積の大きさ、特定の風向への依存といった課題があげられていた。

今回採用されるサボニウス式風車は、垂直軸型のため設置面積が小さく、軽量で組立も容易。さらに、全方位の風を受けて24時間発電可能で、悪天候時にも安定した発電が期待できる。

実証実験では、風量や発電量などのデータ収集を行い、技術のさらなる発展と設置における課題の明確化を目指していく。3社は、このサボニウス式風車の技術開発を通じて、市街地での建物のZEB化や災害時のBCP対応に貢献していく考えだ。

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Top Image : © 株式会社 チャレナジー

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