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2022.09.14
知財ニュース
會澤高圧コンクリートの「自己治癒コンクリート」が国交省のデータベースに登録─高耐久100年で長寿命と脱炭素化に貢献
會澤高圧コンクリート株式会社は、同社が世界で初めて実用化に成功した、バクテリアの代謝機能を用いてコンクリートを自己治癒させるテクノロジー「Basilisk HA 自己治癒コンクリート」が、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されたことを発表した。
国土交通省の「NETIS(New Technology Information System)」とは、新技術の活用促進を目的に国交省が運用している、技術情報の共有・提供を行うデータベースシステム。公共事業が抱える様々な課題に対して民間企業で開発された技術を評価し、有用な技術情報として同庁のホームページ上に公開する。
この度登録された「Basilisk HA 自己治癒コンクリート」は、バイオと素材技術を融合させたテクノロジーにより、経年劣化するコンクリートを自動修復するスマートマテリアルに転換するテクノロジー。アルカリ耐性のあるバクテリアを特殊培養し、生コンクリート製造時に処方することで、強度や耐久性を低下させずに自己治癒性能を付加し長寿命化が可能になる。
開発元の會澤高圧コンクリートによると、「Basilisk HA 自己治癒コンクリート」を使用した場合、新設時の初期コストはある程度増加するものの、その後のメンテナンスがほぼ不要となるという。そのため、修復費や人件費、維持管理・調査が軽減され、人手不足の解消にもつながるとみられる。また、人の手を介さない自己治癒メカニズムにより、通常60~65年で訪れるコンクリート系インフラの更新(メンテナンス)を先送りし、100年を超える高耐久化も実現させる。セメント製造時に排出されるCO2も削減でき、セメント・コンクリート産業全体の脱炭素化にも貢献できる。
同社では今後、コンクリートのメンテナンスフリーを実現する切り札として、設計供用期間100年を標準とした高速道路や国道の橋梁のほか、港湾構造物や山岳トンネル、地下埋設物などへの採用を積極的に働きかけていく。
Top Image : ©︎ 會澤高圧コンクリート 株式会社