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2025.08.12
知財ニュース
江崎グリコの「ポッキー」、立体商標として商標登録が認められる

江崎グリコ株式会社は、2025年7月25日、「Pocky」の商品形状について、「立体商標」として商標登録(登録第6951539号)が認められたと発表した。同社は、主力ブランドである「Pocky」の商品形状について「立体商標」として出願を行っていた。これは、食品の中身の形状のみで商品が分かることが認められた、数少ない事例となる。
立体商標制度は、一定の独自性を備える立体的な形状を商標として保護することができる制度だ。文字やロゴなどの言語的な要素がなくとも登録が認められうるという特徴がある。しかし、一般的に、形状のみで商標登録が認められるためのハードルは非常に高く、長年の使用実績等に基づいて、日本全国で十分に有名になっていることを証明する必要があるのだという。
今回、江崎グリコが立体商標として出願した「Pocky」は、1966年の誕生以来、継続的な販売・広告活動を通じて全国の数多くの人々に愛されてきた商品だ。
2023年、同社が日本国内に居住する男女(16歳~79歳)を対象に実施した認知度調査では、9割を超える人が、形状を見ただけで「Pocky」と認識することができるという結果になったのだという。これらから「長年の使用実績によって、当該形状を見ただけでPockyと認識されるに至っており、商標登録されるべきである」との主張が認められ、商標登録に至った。
食品業界において、過去に商品形状そのものについて立体商標としての登録が認められたのは、誰もが認識できるような著名な形状の中でもほんの一握りのケースとなる。今回の商標登録が認められたことは、「Pocky」の形状が、ブランドとして広く認知されていることの表れと言える。
江崎グリコは、今後も各商標を適切に保護・活用していくことにより、長く愛されるブランドの開発と育成に取り組んでいくとしている。
Top Image : © 江崎グリコ 株式会社