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2021.07.07
知財ニュース
国立成育医療研究センターにて、産科病棟におけるWHILL自動運転モビリティサービスの実証実験が開始
国立成育医療研究センターとWHILL株式会社は、出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる「WHILL自動運転システム」の実証実験を開始した。同サービスはこれまで病院外来や空港などでの活用事例はあったが、病棟内での利用は国内初となる。
WHILL自動運転システムとは、WHILL社が開発するデザイン性と走破性に優れたパーソナルモビリティに自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」と複数の機体を管理・運用するシステムから構成される、歩道・室内領域のための自動運転システム。
これまで、出産直後の患者は身体の痛みなどのため車椅子でLDR(陣痛・分娩・回復室)から病室に戻ることが多く、医療スタッフが車椅子を押して移動していた。その際、医療スタッフは新生児を乗せたカートや患者の荷物などを運ぶ作業もあり、大きな業務負荷がかかっていた。
このような実状を踏まえ、本実証実験では、WHILL自動運転システムを産科病棟に取り入れ、医療スタッフの業務効率化や患者の移動における安全性・利便性などが検証される。
■研究概要
◇導入台数:1台 ※エリア拡張とともに必要台数をレビュー
◇エリア:国立成育医療研究センター6階産科病棟 ※当初は西エリアからスタート、その後東エリアへ拡張
◇内容:LDRから出てきた出産後の患者さんをWHILL自動運転システムにより、病室の前まで搬送。病室までは自動運転モードで走行し、利用終了後は無人運転により、ナースステーション前にあるWHILL保管場所に戻る。
◇検証項目:
・周産期管理を要する患者さんを対象とした場合にも安全を確保し、快適な利用が可能であるか
・同伴する医療スタッフにとって従来の車椅子搬送と比較して負担軽減が図れているか
・利用における改善点
◇調査方法:無記名式アンケート
今後は、本実証実験の結果を基に国立成育医療研究センターとWHILL株式会社は連携を深め、 医療現場におけるサービスの向上を図る予定とのこと。
将来的には、WHILL自動運転システムの利用範囲が拡張することにより、病院内での移動がより快適に楽になることが期待されている。
Top Image : ©WHILL株式会社