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2021.08.02
知財ニュース
研究者が見ているナノ世界のアート「MA-NanoArt 展」開催─アートとサイエンスでつくばのまち創りへ
多様性なライフスタイルを選択できるまち創りを手掛ける、つくばまちなかデザインは、「つくまちアート」を開始すると発表した。つくまちアートは、アートとサイエンスを感じられるつくばのまちづくりを目指し、つくばセンター地区活性化協議会、つくば市と共同で行う。第1弾として、研究者が顕微鏡などで見ているナノスケールの世界を切り取った「MA-NanoArt マナノアート展」を開催。つくまちアートの展開で、市民にアートを感じる機会やまちを訪れるきっかけを提供していくという。
今回展示される「MA-NanoArt マナノアート」とは、ナノスケール(1mmの100万分の1、髪の毛の太さの10万分の1の大きさ)の物質の電子顕微鏡などでしか見せない姿を切り取った写真アート。つくば市にある、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の研究者が画像の提供を行っている。MANAは、2007年に文部科学省が創設したナノテクノロジーと材料研究分野の研究機関で、世界水準の研究環境を持つ。MA-NanoArtは、最新鋭の電子顕微鏡が捉える世界を切り取っている。
▼ MA-NanoArtの一例 (MANA公式サイトより)
Title:ナノの地球
Artist(研究者):天神林 瑞樹
概要:水を弾く撥水材料の開発中に、撥水性のナノ粒子が水滴の周りに付着した様子を撮影。
Title:ナノ手毬
Artist(研究者):川上 亘作・ヒル ジョナサン (HILL, Jonathan)
概要:大豆由来の成分からできた、医薬部品を乗せる粒子の電子顕微鏡写真。
Title:霜
Artist(研究者):ジェバスワン ウイパコーン (JEVASUWAN, Wipakorn)
概要:アルミニウムを金属触媒として用い、シリコンナノワイヤを化学合成する研究中に撮影。
MA-NanoArtは、いずれも研究者が研究過程で予期せず遭遇した写真画像。「Title:花ひらく」は、ナノワイヤというナノサイズの針金状に形成した結晶を電子顕微鏡で観察していた際に偶然出くわし、撮影されたもの。作ろうとして作った構造ではなく、実験は失敗に終わったそうだが、草原の中に花が開いていくような光景を目の当たりにできたという。
本展示開催時には、MA-NanoArt の画像で作成したポストカード(16種類)を持って街を巡る「アートポストカードラリー」も同時に実施する。アートをきっかけに、つくばのまちの活性化につなげていくという。今回の展示が波及し、研究者や技術者たちだけが知っている実はアートな世界が、広く開示されていくことが期待される。
■ MA-NanoArt マナノアート展 概要(プレスリリースより抜粋)
日時: 2021年7月20日(火)〜8月19日(木)6:30~24:00
場所: つくば市吾妻1−10−1 つくばセンタービル1階 通路
▼実施内容
(1) 物材機構 MANA所属の研究者が作成したマテリアルズナノアートの展示
(2) 上記アートを印刷した16種類のアートポストカードラリー
Top Image : ©つくばまちなかデザイン株式会社