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2025.02.12
知財ニュース
国内初、フルフラットシートで横になれる夜行バスが登場―25年3月より試験運行開始
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観光バス事業などを展開する高知駅前観光は、高知~東京区間の夜行高速バスに、座席を倒して横になれる「フルフラットシート」を導入する。高速バスへのフルフラットシートの搭載は国内初となる。2025年3月4日よりモニター運行を開始する。
導入するのは同社の高速バス「スマイルライナー」。2段式のフルフラットシート「ソメイユプロフォン」を搭載する。名称はフランス語で「熟睡」の意味。
着席時は前後に座席を配置した2名用ユニットで、前の座席をリフトアップして上下のフラットシートにする仕組み。カプセルホテルのような寝台をバス車内に設置できる。
各シートには前後左右のガードとベルトを備えて安全性を確保。国土交通省が2024年11月に公表した「フルフラット座席を備える高速バスの安全性に関するガイドライン」にも適合している。
シートを横に倒した際の長さは180㎝で幅は48㎝。車内に最大12ユニット(計24席)設置可能だ。
「ソメイユプロフォン」は、高知県内の企業3社で共同開発したもの。長距離夜行バスの乗客の着座による疲労を解消するため、高知駅前観光が発案。模型製作技術を持つサーマル工房と、産業機械の開発・製造事業を手掛ける垣内とのコラボレーションにより誕生した。シート構造に関する特許も取得している(特許第6884120号)。
モニター運行は今後5カ月ほどの実施を予定。乗客からの意見を踏まえてブラッシュアップし、2025年秋ごろから通常運行を目指す方針だ。横になって寝られる夜行バスの今後の展開が期待される。
Top Image : © 株式会社 高知駅前観光