News

2021.09.22

知財ニュース

集英社がNFTを活用したマンガアート販売事業「集英社マンガアートヘリテージ」で新作を販売―大暮維人氏による美人画10点

スクリーンショット 2021-09-14 21.41.52

株式会社集英社は、3月に開始したマンガアート販売事業「集英社マンガアートヘリテージ」にて、漫画家・大暮維人氏のカラープリント作品を販売した。

集英社マンガアートヘリテージとは、集英社が2008年からマンガのカラー原画を高精細でスキャン、撮影し、作品情報とともにアーカイブしてきた資産を世界に向けて送り出すため、ブロックチェーンとNFT(非代替性トークン)の技術を利用し販売する試みだ。

スタートバーン社の提供するNFTブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」を採用し、マンガアート作品にブロックチェーン証明書「Cert.」が発行されることで、作家や版元情報をはじめ、二次流通市場における来歴も永続的に記録される。「マンガを、受け継がれていくべきアートにする」というビジョンのもと、マンガ作家の画業に光を当て、彼らの作品に「美術品」としての永続的な価値を与えることを目的としている。

過去には集英社の代表作である『ONE PIECE』『イノサン』『ベルサイユのばら』の作品が、同プロジェクトにて販売された。

今回は、「美人画」をテーマに、大暮維人氏の作品『天上天下』『バイオーグ・トリニティ』から10枚を選定。抽選販売申込は、2021年9月4日(土)~9月12日(日)で行われた。同時に公開された動画は、美術家の荒川修作氏とマドリン・ギンズ氏が設計した「死なないための住宅」三鷹天命反転住宅で撮影。音楽は下岡晃(Analogfish)作曲、オカヤス(KETTLES)ボーカルによるオリジナル。

大暮維人氏は、1995年に『SEPTEMBER KISS』でデビューし、『天上天下』『バイオーグ・トリニティ』『エア・ギア』『化物語』などの作品で知られる漫画家だ。公式サイトでは、大暮維人氏の作品の魅力について以下のように紹介されている。

大暮維人が描く女性もまた、歌麿が描く女性と同じく、「幻の女」である。江戸時代の美人画と違い、その瞳は大きく、多くの女性はグラマラスに描かれる。しかしこれらが、男性が夢想するいい女の姿であることは、浮世絵と共通している。
大暮維人の画力は圧倒的だが、それは写実的な表現力の高さというより、マンガの記号表現を多分に含む、アマルガム的な画力と言えるだろう。リアルではないが、リアリティのある表現。感情と情動を刺激する力を、大暮維人の美人画は持っている。

undefined

undefined

また、今回の販売にあわせて、9月7日(火)から9月29日(水)の期間限定で東京都千代田区にあるエプソンスクエア丸の内のエプサイトギャラリーにて『Manga Art Exhibition/Oh!great 大暮維人Boxed Beauty』展が開催されている。A1サイズのボックスにプリントを収めて展示し、来場者はひとつずつ箱を開いて作品を鑑賞するそうだ。

詳細はこちら
公式HPはこちら

Top Image :©集英社マンガアートヘリテージ

広告