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2024.04.24
知財ニュース
歴史的建築「中銀カプセルタワー」を再利用、泊まれる空間へ
株式会社エンジョイワークスは、空き家や遊休不動産の再生に特化した自社プラットフォーム「ハロー! RENOVATION」を活用した、「カプセルヴィレッジプロジェクト」を2024年夏から開始する。都市建築・メタボリズム建築の象徴として注目された銀座8丁目「中銀カプセルタワー」の5つのカプセルを、「泊まれるカプセル」として再生する。
プロジェクトの開始に伴い、同社は、オリジナルカプセルをデザインするクリエイターを募集している。
「中銀カプセルタワービル」は、1972年に建築家の黒川紀章氏が設計し、2022年に惜しまれつつ解体された。その後、黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと、建物を構成していた140個のカプセルのうち23個が「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」によって保存・修復された。現在もメタボリズム建築の象徴として注目されており、国内外の商業施設や美術館(サンフランシスコ近代美術館、和歌山県立近代美術館など)で展示されている。
今回2024年夏からスタートするのは、相模湾・富士山・湘南を望む横須賀市の「長井海の手公園ソレイユの丘」を舞台に、オリジナルカプセル5つを宿泊施設として活用する、世界で唯一「宿泊できるカプセル」として再生させるプロジェクトだ。
惜しまれつつ解体された中銀カプセルタワーは、1960年代の若手建築家から始まったメタボリズム(新陳代謝)という建築運動を代表する建築物で、細胞のように時代に応じて自在に移動・成長するというコンセプトがあった。その可動性を実現させ、それぞれ異なる表情を見せる宿泊施設として再び誕生する。
丸窓が特徴のカプセルは、幅2.7m×奥行4.2m×高さ2.55mの白いシンプルな箱。これまでも、タワー現存当時の2019年に良品計画の無印良品がインテリアをコーディネートした「無印カプセル」や、ウクライナ人建築家のヴォロディミール・デレズニチェンコ氏がデザインしたカプセルがあった。
今回のプロジェクトもアーティストや建築家、デザイナーなどのクリエイターや企業とコラボレーションし、作り上げていく予定。また、今後、竣工当時のデザインを復元するカプセルも検討されている。
Top Image : © 株式会社 エンジョイワークス